「悲痛な想いを味わった」角田裕毅、無念さが募るレース前のリタイア…各国メディアも同情を示す【イタリアGP】
予選は僅差でQ3進出を逃したものの、ストレートスピードの向上で好感触を掴んでいた角田は、11番グリッドからの巻き返しでポイント獲得を狙っていたが、フォーメーションラップ(FL)中にバックストレートでエンジンが異常を来したことで、コース脇に車を停めることを余儀なくされた。イタリアGPでは、ルーキーイヤーの2021年でも、レコノサンスラップでブレーキの問題が明らかとなり、レース開始までに修理が間に合わず、角田は車を降りている。
【動画】角田裕毅は惜しくもQ3進出ならずも、可能性を感じさせた予選の走りをチェック! 思わぬ形での終幕を迎えることになった角田は、チームの公式サイトを通して、「車から奇妙な音が聞こえ、その後、パワーを感じなくなりました。まだ正確な原因はわかっていませんが、確認したいと思います。確かに、信頼性の問題は避けたかったですが、今季初めてのことなので、ポジティブに考えて、より強くなって戻ってきたいです」と、車を停めるまでの経緯を明かした後、レースをすることなくリタイアとなった無念さを表わしながらも、前向きな姿勢で今後の巻き返しを誓った。
「特にホームレースで、しかもポイントに近い位置からスタートできるということもあり、レースで走りたかったです。プラクティスではかなり力強いペースを見せていたので残念ですが、この週末からは多くのことを学べました。車のパフォーマンスはこの数週間、一貫して安定していたし、幾らか苦労したとしても、次の日にはより強くなっています。最大限のパフォーマンスを引き出すことができるのは我々の強みのひとつなので、今後も心配はしていません」
アルファタウリのマシンパフォーマンスのチーフエンジニアを務めるクラウディオ・バレストリは、「今日の目標はポイントを獲得することだったが、それは叶わなかった。ユウキは11番グリッドからスタートしたが、FL中にパワーユニット(PU)の問題が発生し、車がコース上で停止してしまい、レースが始まる前に終わってしまった」と振り返っている。 チームメイトのリアム・ローソンがデビュー2戦目にして奮闘し、11位でフィニッシュしたこのホームレースで、今季は一貫して安定したドライビングを披露している角田が出走していればどうなったかは興味深い。現実は非常に残念な結果となったが、海外の専門メディアも、このトラブルを惜しんでいるようだ。
イギリスのF1専門サイト『PLANETF1.COM』は、「モナコGP以来、チームとして最高の予選結果を記録したことで、イタリアの地での期待は高まっていた。チームは順位を上げ、チャンピオンシップの最下位から脱するために、この堅実な予選結果を活かすことを期待していたが、レース開始前に角田の車が故障……。チームとそのリードドライバーにとって、非常に失望に満ちた結末となった」と綴っている。
また、同国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』も、「角田の週末は、FL中のPUの問題によって中断された。予選で『もっと良い仕事ができた点が幾つかあった』と感じた彼だが、これを挽回したり、レースでインパクトを与えたりするチャンスすらなかった」と伝えた。
そして、スポーツ専門サイト『sportskeeda』は「イタリアGPの決勝が始まる前、車がスターティンググリッドに向かう途中で停止してしまい、ユウキにとっては悲痛な思いを味わうこととなった。残念ながら、彼はまともな予選順位を結果に変えることができなかった」と同情を示している。
構成●THE DIGEST編集部
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