【バスケW杯】カナダを初の準決勝へ導いたギルジャス・アレキサンダーを母国レジェンドが絶賛「彼のプレーを見ていると、鳥肌が立つ」<DUNKSHOOT>
FIBAランキング15位のカナダにとって、ワールドカップでの4強入りは初。8日の準決勝では同6位セルビアとの大一番が控え、初のメダル獲得に大きく近づいている。
スロベニアとの一戦は、序盤からフィジカルな展開となり、前半は50−50とまったくの五分。第4クォーターにはカナダのディロン・ブルックス(ヒューストン・ロケッツ)と、スロベニアのルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)が2度目のテクニカルファウルを宣告されて退場となるなか、シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(オクラホマシティ・サンダー)が華麗なフットワークとボールハンドリングを駆使して得点を奪い、勝利に導いた。
25歳のエースガードは両チーム最長の36分16秒コートに立ち、ゲームハイの31得点、10リバウンドに加えて4アシスト、2スティールと殊勲の働き。そのほかRJ・バレット(ニューヨーク・ニックス)が24得点、9リバウンド、ブルックスが14得点、3アシスト、ニキール・アレキサンダー・ウォーカー(ミネソタ・ティンバーウルブズ)が14得点をマークした。
試合後、「相手には世界でもベストな選手のひとりがいて、ガードするのが本当に難しかった」とドンチッチが話したように、カナダを牽引したギルジャス・アレキサンダーはコート上を自在に駆け回り、東京五輪4位のスロベニアを翻弄した。
この試合、ギルジャス・アレキサンダーはフィールドゴール成功率66.7%(8/12)、フリースロー成功率87.5%(14/16)と高確率でショットをねじ込んでみせた。FIBA選定のプレーヤー・オブ・ザ・ゲームにも輝き「光栄だね」と笑みをたたえたが、一方で「でも僕らは満足しちゃいない。金メダルを勝ち獲った時、僕は満足するだろうね」と、ワールドカップを制することにフォーカスしていた。
カナダ出身のレジェンドも、現エースの活躍に太鼓判を押している。スロベニアとの大一番を前に、NBAのMVP経験者でバスケットボール殿堂入りも果たしたスティーブ・ナッシュ(元フェニックス・サンズほか)が現地メディア『SportsNet』とのZoomインタビューに応じ、ギルジャス・アレキサンダーについてこう評していた。「彼には自身のゲームがあり、独特の感覚を持っている。それにこの瞬間における責任感も持ち合わせている。自分たちの国に彼のような選手がいるのは素晴らしいことさ」
ここまでの6試合を終えて、ギルジャス・アレキサンダーは大会3位の平均25.0点に7.2リバウンド、5.0アシスト、1.67スティールと、いずれもチームトップの成績を残している。さらにフィールドゴール成功率54.7%、フリースロー成功率88.9%と、トップスコアラーとして申し分ないパフォーマンスを続けている。
カナダ代表を引っ張る大黒柱のプレーには、ナッシュも称賛を惜しまない。
「彼のプレーを見ていると、鳥肌が立つんだ。チーム全体で、彼らはそれぞれの役割をこなしている。しかし彼はあのチームを見事に引っ張っている。彼は大好きな選手のひとりだし、これからも成長を続けていくだろう。彼の残りのキャリアを見るのも楽しみだし、カナダのジャージーをできるだけ長く身にまとってプレーを続けてほしいね」
昨季、サンダーで平均31.4点、4.8リバウンド、5.5アシスト、1.65スティールの好成績を残し、オールスターとオールNBA1stチームに名を連ねた男は、今回のワールドカップでさらなる自信をつけているに違いない。
構成●ダンクシュート編集部