F1の舞台はアジアに移り、今週末には第15戦シンガポールGP、そして翌週には鈴鹿サーキットでの日本GPが開催される。

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 アルファタウリは、第13戦オランダGPでダニエル・リカルドが左腕骨折の重傷を負い、急遽リアム・ローソンがデビューを飾るなど、後半戦の出だしでいきなり混乱に見舞われたが、一方で「AT04」はストレートスピードの改善などが見られ、角田裕毅も今後のレースを楽しみにしている旨のコメントを残しており、この母国レースを含む2連戦には期待と注目が寄せられる。

 そんな中、チームのピーター・バイエルCEOは、イギリスのF1専門メディア『PLANETF1.COM』に対し、シンガポールで大幅なアップデートを導入すると明言。「すぐに成果が出るわけではない」と断りを入れながらも、姉妹チームであるレッドブルの「デザイン哲学」からインスピレーションを得た変更が、AT04のさらなる向上に繋がると自信を持っているようだ。

「今季、アストンマーティンやマクラーレンも突然好成績を挙げるなど、その変化は驚くべきものだったが、それはいずれも、レッドブルが新たに採用したダウンフォースに関するデザイン哲学が正しいと理解したためだと思う。我々は実際、シンガポールで大規模なアップグレードを予定しており、それは同じ哲学に従ったものである。他のチームもそれに追随しており、来季は非常に接近した競争になるだろう」

 レッドブルが圧倒的な成功を収めている一方で、アルファタウリが2022年以降は後退し続けていることで、その完全な「自主性」を断念し、レッドブルとの協力体制をより強化することが明らかにされているイタリアのチームに、この先、いかなる未来が待っているかが興味深いところだ。

 ちなみに、同メディアはシンガポールGPを展望。コーナー数が減り、平均速度は挙がったものの、高いダウンフォースを要求するコースである市街地レースにおいては、マクラーレン、アストンマーティン、アルピーヌが躍進を遂げる可能性があると予想するとともに、アルファタウリについては次のように綴っている。「全体的な性能不足に苦しんできたアルファタウリだが、このチームは低速コーナーでのパフォーマンス向上に焦点を当てており、シンガポールには多くの低速コーナーがある。今季、低速で高ダウンフォースのモナコでは、予選でまずまずのパフォーマンスを示しており(角田が9番手、ニック・デ・フリースが12番手)、この成功がシンガポールではポイント獲得に繋がることが期待される」
  イタリアGPでは、予選で11番手につけ(これでも悔しがるほどに車のポテンシャルの高さに手応えを掴んでいた)、ポイント獲得に意欲を示していたものの、パワーユニットのトラブルでレース前にリタイアを余儀なくされた角田にとって、雪辱を果たしたいアジアでのレースで、アップデートされたAT04がどれだけの助けとなるかも要注目だ。

構成●THE DIGEST編集部
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