角田裕毅、大幅アップデートに「確実に改善されている」と好感触も、ソフトでのグリップ低下の解決が急務…“闖入者”には「やばい!」【シンガポールGP】
この週末に大幅なアップデートを導入したアルファタウリの「AT04」を駆る角田裕毅は、FP1では25周を走行して全体の9番手となる1分34秒042のベストタイムを計測するという好スタートを切り、FP2(27周回)でもミディアムタイヤでは3番手につける好パフォーマンスを発揮。しかし、ソフトタイヤでの走行ではタイムが伸び悩み、1分33秒477で16番手に止まっている。
初日を終えた後、角田はチームの公式サイトを通して、「全体的に、今日はまずまずでしましたが、終わりに近づくにつれて、ミディアムタイヤと比較してソフトタイヤのグリップが低下し、より大きな進歩を感じられなかったので、何が起こったのかを調べる必要があります」と振り返り、さらに以下のように続けた。
「シンガポールは他のサーキットとは全く異なる、ユニークなコースなので、我々のアップデートがどれだけ効果があるのかをすぐに知るのは難しいです。車は確実に改善されており、特にリアサポートが向上しましたが、予選でさらに詳しいことが分かるでしょう。フィーリングも良く、明日再び出走できることを楽しみにしています」
チームはSNSに、FP1については「悪くないスタート」、そして初日を「幾つか新しい空力コンポーネントのテストができ、ポジティブな週末の幕開けとなった」と投稿。チーフ・レースエンジニアのジョナサン・エッドルスは、「今日の主要な目標のひとつは、アップデートに関連するパフォーマンスを確認し、データを収集するとともに、それらを最適に活用する方法を見つけることだった」と明かし、こちらも「全体的に週末のスタートはポジティブなものとなった」と評して、各セッションにも言及している。
「FP1では、周回数を最大限に増やし、徐々にペースを上げることに集中した。高い路面温度とグリップが少ないコースでも、パッケージが機能していることを確認でき、両ドライバーが車に満足していることが分かった。FP2では微調整を行ない、ミディアムタイヤでのパフォーマンスは、正しい方向に進んでいることを示したが、ソフトタイヤでの走行では、リアム(・ローソン)はタイムを短縮したが、ユウキはグリップに苦しんで、ほとんどタイムは上がらなかった。これは明日、取り組む必要がある課題だ」 各国専門メディアの報道を見ると、フランスのモータースポーツ専門サイト『Motorsport.NEXTGEN-AUTO.com』は、アルファタウリが「マクラーレンとともに、今週末のシンガポールで最も大規模なアップデートを導入したチームだ」と伝え、「ローソンはFP2で12番手(FP1は16番手)という素晴らしい結果を残し、16番手となった角田は、新しいパーツがAT04のパフォーマンス、バランス、タイヤの劣化にいかなる影響を与えるかを理解するため、基本的な作業に取り組んだ」と綴った。
続いて、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は、「ローソンは再びチームメイトを上回った。彼はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を上回ることすらあった。一方、角田は2度目のマリーナベイでの走行で、FP1では9番手となったが、FP2ではソフトタイヤのグリップの不足のために16位に後退。とはいえ、彼のシミュレーション走行は良好なものだった」と報じている。
なお、4つのコーナーが取り除かれたことで、昨季までと比べて大幅にラップタイムが短縮されたこのストリートコースでは、熱帯の国ならではの思わぬ「闖入者」によってセッションが中断を強いられるというアクシデントが起きた。フランスの通信社『AFP』は、「最初のセッションで、コースを横切るオオトカゲがドライバーたちのホットラップを妨げる場面があった。警告の黄旗が振られる中、驚きを露にしたドライバーのひとりがユウキだった。この日本人ドライバーは、無線で「あ、トカゲだ! やばい!」と叫んだ」と伝えた。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】FP2も途中までは3番手に! 角田裕毅のフリー走行をチェック
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