F1第15戦のシンガポール・グランプリは9月16日に予選が行なわれ、アルファタウリの角田裕毅は15番手となった。

【動画】角田裕毅、Q1はトップタイムで通過も…シンガポールGP予選ハイライト 初日では大幅にアップデートされた「AT04」を駆ってFP(フリー走行)1で9番手に入り、FP2でもミディアムタイヤでは3番手につけるなどの好パフォーマンスを発揮した角田は、2日目のFP3で18周回を重ね、1分32秒945という全体10番手のベストタイムを計測した後で予選Q1に臨み、最終アタックで唯一1分31秒台に入る、1分31秒991でトップタイムを叩き出した。

 これでQ3での好順位すら期待されたがしかし、Q2では最初のアタックの途中でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)にターン4で進路を塞がれたことで断念。そして、最後のアタックではターン14でブレーキをロックアップさせて直進してしまい、ノータイムという形で敗退を余儀なくされている。

 Q1からは一転して失意の終わり方を迎えた彼は、チームの公式サイトを通して、「ターン14でブレーキをロックアップしてしまうというミスを犯してしまいました。チームに対しては申し訳なく思っています。本当に残念だし、車のペースは信じられないぐらいだったので、とても苛立ちが募っています。明日はポイントを獲得できるように最善を尽くします」とのコメントを残した。

 また、F1公式サイト『F1.com』のインタビューでも、「車は本当に素晴らしかったので、チームには謝罪したい」と語り、決勝については「前には2台のレッドブル(11番手にフェルスタッペン、13番手にセルジオ・ペレス)がいますが、入賞に向けて全力を出し切ります」と意気込みを示している。

 チームはSNSで、角田のQ2ノータイムを「不運だった」と表現。テクニカル・ディレクターのジョディ・エッギントンは、「我々には、両ドライバーともにQ3に進出できるペースがあると確信していた。Q1での車のペースとバランスは良く、さらなる進歩が期待できる状況だった」と振り返り、以下のように続けた。

「しかしQ2では、ユウキが最初のラップでタイムを記録できず、2回目の走行でもコースオフした。彼のQ1でのペースを見れば、Q3進出には十分だっただけに、非常にフラストレーションが溜まった。金曜日のロングランでのペースはまずまずだったので、これを活かし、決勝ではユウキが順位を上げる機会を掴む準備をしなければならない」
  なお、チームメイトのリアム・ローソンはQ1を4番手で通過した後、Q2でも10番手に入って最終ラウンドに進み、決勝を10番グリッドからスタートすることになったが、彼は角田についても、「我々の車は強力であり、車の中のユウキは快適そうだったので、彼にとっては残念な結果になった」と言及している。
  各国のメディアの報道では、イタリアの自動車専門メディア『MOTORIONLINE』が、「ローソンはスーパースター級のパフォーマンスを披露。フリー走行から速さを見せ、アジアの狭いコースに対する経験が少ないにもかかわらず、驚くべきことにフェルスタッペンを抑えてQ3進出という素晴らしい結果を残した。一方、角田はQ2でタイムを記録できず、15位に終わっている」と伝えた。

 フランスのモータースポーツ専門サイト『Motorsport.NEXTGEN-AUTO.com』は、「ユウキは1回目のアタックがフェルスタッペンに妨げられ、その次は自身のミスによってQ3進出の可能性を逃すという代償を支払わされた。しかし、この日本人ドライバーは、まだレースでポイントを獲得することを諦めていない」と綴っている。

構成●THE DIGEST編集部
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