F1第16戦の日本グランプリは9月23日に予選が行なわれ、アルファタウリの角田裕毅は9番手につけた。

 契約延長が発表されたばかりの角田は、午前に実施されたフリー走行3回目で18周を走行して1分31秒951という全体14番手のベストタイムを計測した後、「少なくともQ3進出」を目標に掲げた予選に臨み、Q1は1分30秒733で8番手、Q2は1分30秒204で7番手と、いずれも余裕を持って通過。最低目標を果たした後のQ3では、1分30秒303で10番手のフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)を上回ってみせた。

【PHOTO】各チームニューマシンを発表!2023年シーズンを戦うF1全チームの新車を一挙紹介! 予選後、彼はチームの公式サイトを通して「ホームグランプリでQ3に進出することは、信じられないぐらいに特別なものでした。日本のファンの前でQ3に進んだのは初めてであり、最後の走行で感じられたサポートの数は素晴らしかったです」と、母国レースならではの出来事に感動を隠さず、さらに以下のように続けている。

「お客さんからこれだけのサポートを感じられたことは、これまでに一度もありませんでした。本当に感謝していますが、さらに大きな感謝をチームには表したいと思います。金曜日のフリー走行で苦戦した後、簡単ではなかったにもかかわらず、チームは改善策を見つけるために素晴らしい仕事をしました。車は素晴らしく、運転するのが本当に楽しかったので、明日が楽しみです」

「シンガポールでは、新しいパッケージでのレースはしていませんが、リアム(・ローソン)は先週、良い仕事をし、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたので、レースについては心配していません。明日はファンと一緒に楽しみたいです。タイヤの劣化がここでの課題となりそうで、それはトリッキーですが、条件はみんなに同じなので、やれることをやるだけです。リアム(11番手)とともに良いポジションからスタートするので、チームのためにどちらもポイントを獲得できればと思います」

 アルファタウリはSNSで、23歳の日本人ドライバーに対して「母国の大観衆の前で何という素晴らしい結果!」「9番手という信じられないパフォーマンス」と賛辞を贈り、チーム全体についても「ユウキがホームのファンの前で9番手、リアムがエクセレントな仕事を見せるなど、チームにとって力強い1日」と投稿。また、「特別な予選でファンがユウキを9番手に押し上げた」と、こちらも観客に対しても感謝の意を示した。

 チーフエンジニアのジョナサン・エッドルスは予選を振り返り、「Q1では、2回目の走行のアウトラップで赤旗が出たが、チームはこれに上手く対応し、両ドライバーが楽にQ2に進出した。Q2ではドライバーたちが全力を尽くし、ユウキはQ3に進出するために十分なパフォーマンスを発揮できた。風が少し強まったQ3では、Q2のラップを更新できなかった。予選では中団勢をリードしており、チームは『AT04』の開発と改善を続けていることに誇りを持つべきだ」と語っている。
  各国の専門メディアも、角田の予選に対して高評価を下しており、フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』は、「角田は土曜日、鈴鹿のファンの前で素晴らしいパフォーマンスを見せた。アルファタウリのドライバーはホームで初めてQ3に到達し、決勝でまともに走行すらできなかった2つのグランプリの後、ポイント獲得を目指して日曜日のレースを楽しみにしている」と伝えた。
 
 オランダのF1専門サイト『RN365』は、「日本人ドライバーは契約延長が発表されてから数時間後、ホームレースでの予選でトップ10入り。5月のモナコGP以来となるQ3進出を果たした。そのラップはアロンソを抑え、レッドブル、マクラーレン、フェラーリ、メルセデス以外のドライバーとしては、十分なほどの好タイムを記録した」とポジティブに評し、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は、以下のように綴り、決勝にも期待を寄せている。

「ユウキは、ホームサーキットで小さなリベンジを果たした。この日本人ドライバーは、予選でのあらゆる障害を克服し、Q3に進んで9番手のタイムを計測、アロンソを約0.2秒差で抑えた。金曜日の苦労や、前回の週末での困難を考えると、これは素晴らしい結果だ。モンツァとシンガポールでは早々にリタイアせざるを得なかったユウキにとって、鈴鹿のレースはAT04の新しいパッケージを最大限に活用する絶好の機会であり、アルファタウリとの契約延長を祝うチャンスとも言えよう」

構成●THE DIGEST編集部
【動画】角田裕毅は予選9番手!Q3進出に鈴鹿が騒然!!

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