9月16日から国立代々木競技場 第一体育館で9日間にわたり開催された『FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023』女子大会。日本代表は最終日の24日、会場へ駆けつけた1万人を越える観客の前で東京五輪銀メダリストのブラジル代表と激闘を繰り広げるも敗れ、パリ五輪への切符獲得は来年6月へ見送りとなった。

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 日本代表はブラジル代表に第1セットを譲った後、すぐさま次のセットを奪い返した。第3セットは、ミドルブロッカー(MB)山田二千華のサーブで4連続ブレークに成功するなど序盤からリード。アウトサイドヒッター(OH)井上愛里沙に替えて起用した石川真佑の活躍が光り、優勢のまま24-22でセットポイントを迎えた。ところが、粘る相手に2度のチャンスを阻止され混戦へ。25-24として再び試合先行の好機を握るも、主将のOH古賀紗理那が痛恨のサーブミス。勝負どころで一気にギアを上げたブラジルにエースと渾身の一打でたたみ掛けられ大逆転を許し、セットカウントを2−1とされた。

 そのまま終わるわけにはいかない日本のベンチが動いた。古賀を下げて井上、セッターを関菜々巳から松井珠己に替えて第4セットをスタート。25-15で圧倒し最終セットへ望みをつないだ。

 第5セットはブラジルが開始からいきなり3連続得点。日本は、相手の主将・ガビことガブリエラ・ギマラエスに2連続でアタックミスが出ると、OH石川と林琴奈の攻撃やMB田中瑞稀のブロックで10-10まで追い上げる。しかし、五輪出場への執念を炸裂させたブラジルは、以降、日本に1得点も与えず勝利へ疾走。死力を尽くした日本だったが僅かに及ばず、今大会での出場権獲得はならずに終わった。

 ブラジルは、2015年から正セッターを務めてきたマクリス・カルネイロを今大会に招集せず。その座を任されて五輪出場に大きく貢献した新司令塔ロベルタ・ラツキは、同国で最大契約者数を誇るスポーツ専門放送局『SporTV』のインタビューで、「五輪がかかった重要な大会での司令塔デビューで、周囲から様々な意見があり大きなプレッシャーを感じていた。私を歓迎してくれたチームに感謝している」と重圧を背負いながらの戦いだったと吐露。

 また、チーム状況について、「日本との対戦が大変な戦いになることは、皆が理解していた。今年はチームの浮き沈みが激しく苦しいシーズンを送っていたので、直近の南米選手権で優勝してこの大会へ臨めたのは大きかった」と日本戦へ向けて少なからず不安があったことを明かした。
  五輪切符を争い死闘を繰り広げた日本。第5戦で自分たちをストレートで破ったトルコ代表を引き合いに出して、「トルコに敗れたが、どの代表との対戦も日本戦の厳しさを越えるものはない。試合を通して良い精神状態を保ち続けなければならない。幾度も困難を強いられるので、常に気が抜けずメンタルを削られる。その疲労はチームにとって想像以上の負担となる。私たちは、日本代表を本当に尊敬している」と日本を難敵と位置づけ、最高のリスペクトを言葉にした。

 そして、今回の勝因を、「チームが冷静さ、情熱と闘争心を持ち続けて戦い切れたことをうれしく思う。私たちは最初から最後までどんな場面でも勝利への執着心を失うことはなかった。“勝つのは自分たち!”その言葉をかけ合いながらプレーしていた」とコメント。20年以上世界トップの一角に鎮座し続ける強豪国の自信と執念が、勝利へ背中を押したことは間違いないようだ。

 火の鳥NIPPONのパリ五輪出場は、ネーションズリーグ2024年大会の予選が終了する来年6月時点の世界ランキングが命運を握ることになる。なんとしても切符をつかみ取り、4年に一度の大舞台でブラジルにリベンジを果たしてくれることを心から願う。

構成●THE DIGEST編集部

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