東レPPOの日本人対決は本玉真唯が日比野菜緒にストレート勝ち!「自分のプレーを最後まで貫き通せた」<SMASH>
今大会、予選から勝ち上がった本玉にとって、「すごく試合したかった」という相手が日比野だ。しかしながら日比野は本調子とは言い切れなかった。8月のプラハオープン(WTA250)でツアー3勝目を挙げた後、手首を痛めた日比野は、このところ早期敗退が続いている。「今日は初めてほぼ痛みがなくテニスができた」という状態で、調整不足の感は否めなかった。
立ち上がりから積極的に攻めた本玉は、日比野をコート後方に釘付けにした。ポジションを上げて早いタイミング、高い打点でボールを捉え、角度をつけてコーナーに突き刺す。いきなり日比野のサービスゲームを2つ続けてブレークし、3−0とリード。1つ返されたもののさらにブレークを加え、第1セットを6−2で先取した。
しかし百戦錬磨の日比野は、第2セットに入ると揺さぶりをかけてくる。スライスとヘビースピンのムーンボールを混ぜてペースを変え、本玉のミスを引き出し、今度は日比野が3−0とリード。ただ、そこで日比野は自ら落とし穴にはまる。「流れが良くなって少し余裕が生まれ、スライスよりも自分のプレーをと思い、少し打ちすぎてしまった。スライスで崩すのを最後までやりきれなかったのが悔やまれる」
一方、本玉の方は戦い方にブレがない。ミスでペースを乱しかけたが「しっかり修正し、もう1回自分から中に入ろう」と攻撃の姿勢を貫き、尾を引くことはなかった。日比野のペースダウンを予測していたという本玉は「リードされても落ち着いてプレーできた」との言葉通り、低い弾道の強打を打ち込み続け、再びラリーの主導権を奪還。一気に5ゲーム連取して5−3と逆転し、そのまま6−4で勝利した。
「しっかり自分のストロークを打ちつつ、ネットも絡めて、自分のプレーを最初から最後まで貫き通せた」と胸を張った本玉。敗れた日比野も「すごくリズム良く攻めてくる。アンフォーストエラーがほとんどなく、隙もなく、素晴らしいプレーだった」と素直に勝者を称えた。
本玉の2回戦の相手は第1シード、世界2位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)だ。「今の自分のプレーがどこまで通用するかすごく見てみたいし、今日のように思い切り戦いたい」と本玉は目を輝かせた。
[25日の女子シングルス結果]
○アンヘリーナ・カリニナ(ウクライナ) 6-3 6-1 アシュリン・クルーガー(アメリカ)●
●内島萌夏[WC] 2-6 2-6ケイラ・デイ(アメリカ)○
●西郷里奈[Q] 1-6 1-6 クリスティーナ・ブクサ(スペイン)○
○リュドミラ・サムソノワ(ロシア)[7] 6-0 6-2 タチアナ・マリア(ドイツ)●
○本玉真唯[Q] 6-2 6-4 日比野菜緒●
※[ ]内の数字はシード順位、WC=主催者推薦出場、Q=予選勝ち上がり
取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)
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