3年目はスタッフへの罵声を封印! アルファタウリ首脳陣が角田裕毅の変化を称賛!「ドライバーとして明らかに成熟」
【PHOTO】各チームニューマシンを発表!2023年シーズンを戦うF1全チームの新車を一挙紹介! 過去2シーズンは一貫性に欠けることでチャンスを逃してしまうことが幾度もあったこの日本人ドライバーの、3年目の成長については、チーム関係者だけでなく、各国のメディアが高い評価を下しており、昨季までとは異なり、今季は契約延長を疑う者はあまり多くはなかったほどだ。
また角田といえば、昨年まではコクピット内でしばしば冷静さを失い、ライバルたちに対してだけでなく、エンジニアに対しても罵声を浴びせることで、ファンやメディアの間で話題となった。しかし一方で、チーム内外からは苦言を呈され、レッドブルが心理学者をつけてメンタル面の改善を施すということもあったが、今季はこの点でも大きな変化が見られるようになった。
この件について、アルファタウリのレース・チーフエンジニアであるジョナサン・エッドルスも、「ユウキは今季かなり大きな進歩を遂げた」と語り、彼の振る舞いに変化が生まれた原因なども明かしている(オランダのF1専門サイト『RN365』より)。
「今季、新人ドライバー(ニック・デ・フリース)をチームメイトに迎えたことで、ユウキはチームの中で最も経験豊富なドライバーとなった。彼はその責任を受け入れ、素晴らしい仕事を果たした。明らかに成熟している。我々は皆、ルーキーイヤーにはコクピット内や無線のやりとりにおいて“熱血”だったことを知っている。しかし、今ではそれをコントロールし、車の理解やドライビングに集中している」
アルファタウリは過去2年間と比べて、車により多くの問題を抱えてきたと言えるが、ある意味、そのことも角田の意識を変えさせたと言えよう。かつて、フランツ・トスト代表やレッドブルのヘルムート・マルコ顧問は、角田の無線について「チームスタッフに対して罵声を浴びせても何も良いことはない」と指摘してきたが、本人も苦境の中で自身がなすべきことを悟ったというだろうか。 エッドルスは、角田の変化を「週末へのアプローチ全体だ。彼は一貫性を示し、車を理解し、より良いフィードバックを提供することにのみ焦点を当てている。ドライバーとして成熟し、そのことが彼をより速くすることに我々が集中するのに役立っている」と説明する。
また、「ユウキはまた、車の必要な部分、つまりバランス特性やコーナーに進入する際の安定性に関しても、より理解度を高めている。以前はまだ学習段階だったし、またレギュレーションの大幅な変更にも対応しなければならなかった」と、メカニカルな分野においても大きな改善が見られることを明かしている。
「チームも、データや彼のフィードバックに基づいて、最大限の成果を引き出す方法を承知している。だからこそ、我々はグループとして上手く機能しており、それが彼のパフォーマンスにも表われている」
レースによる戦略については、角田自身も時折不満や疑問を隠さない週末もあるが、AT04のポテンシャルは幾度もアップデートを重ねることで、後半戦はようやく効果を見せるようになってきており、今なおコンストラクターズランキングでは最下位に沈んでいるものの、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)らライバルの警戒感を煽るまでになっているという。
デ・フリースの解雇から、ダニエル・リカルドの登用、間もなく左手骨折で離脱、新人リアム・ローソンの緊急参戦と、チームはやや混乱し、角田自身はサマーブレイク前のベルギー・グランプリで10位入賞を飾って以降は、先週の母国グランプリ(日本GP)も含めて望んだ結果は残せずにいるが、それでも終盤戦に向けて期待を感じられるアルファタウリ。今週末に迎える第17戦カタールGPは、彼らにとっての反撃の開始となるか、要注目である。
構成●THE DIGEST編集部
【ハイライト動画】角田裕毅、日本GP予選で大健闘の9番手!
【動画】角田裕毅は12位フィニッシュ! 優勝は王者フェルスタッペン
【関連記事】「今季最大の驚きのひとつ」角田裕毅、専門メディアによる「昨季から最も成長したF1ドライバー3傑」に選定!