ホリデー獲得に成功したセルティックスGMが歓喜の声「彼をボストンに迎えられて大変満足している」<DUNKSHOOT>
チームはその見返りとして、昨季最優秀シックスマン賞に輝いたマルコム・ブログドンとリムプロテクターのロバート・ウィリアムズ三世に加え、2024、29年のドラフト1巡目指名権をブレイザーズへ放出。
今夏のセルティックスはチームの“ハート&ソウル”だったマーカス・スマートをメンフィス・グリズリーズへ、ダニーロ・ガリナーリ(昨季はケガで全休)とマイク・マスカーラをワシントン・ウィザーズへ、さらにサイン&トレードでグラント・ウィリアムズをダラス・マーベリックスへ送っている。これにより、わずか数か月の間にスマート、ウィリアムズ、ブログドン、ウィリアムズ三世と、昨プレーオフでローテーション入りしていた4選手が退団することになった。
ブレイザーズとのトレードが成立後、セルティックスのバスケットボール運営部代表兼GM(ゼネラルマネージャー)のブラッド・スティーブンスは、リリースを通じてこうコメントしていた。
「我々はセルティックスのユニフォームに身を包んだドリューを見ることを楽しみにしています。彼は申し分ない闘争心でプレーし、キャリアを通じてコート内外でインパクトを与えてきました。ドリュー、(妻の)ローレン、ホリデーファミリーをボストンへ迎えることができて大変満足しています」
現在、チームのロスターにはジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウンの2枚看板のほか、スマートを絡めた三角トレードで獲得したビッグマンのクリスタプス・ポルジンギス、攻守兼備のデリック・ホワイト、ベテランビッグマンのアル・ホーフォードがいる。
そこにオールスター選出2度、オールディフェンシブチーム選出5度を誇る攻守兼任のホリデーが加入し、今季も優勝候補の一角に挙がる戦力を有することに成功した。
その一方で、セルティックスは2017年以降に5度もカンファレンス・ファイナル進出を果たしたものの、ファイナル進出は2022年の一度のみ。その年も、ゴールデンステイト・ウォリアーズに2勝4敗で敗れて優勝を逃している。
スティーブンスをはじめとしたフロントは、球団史上18度目のチャンピオンシップ獲得のためには、現状打破の必要性を感じていたのかもしれない。
ウィリアムズ三世の放出もあり、ベンチの選手層が薄くなっていることは懸念材料だが、独力でゲームを支配できるビッグマンのポルジンギス、優勝経験のある2ウェイガードのホリデーを加えたことは、悲願達成に向けて間違いなくポジティブな要素だ。
また、ホリデーにはマイアミ・ヒートやフィラデルフィア・セブンティシクサーズといったイーストの強豪も興味を示しており、ライバルチームに移籍を許さなかったことも大きい。
攻守でチームの勝利のためなら汚れ役も厭わないホリデーが、リーグ屈指の名門の“ラストピース”になれるか注目だ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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