今オフから開幕直後にかけて、ジェームズ・ハーデンのトレード騒動に揺れていたフィラデルフィア・セブンティシクサーズ。しかしそれでも、開幕から6試合を終えてイースタン・カンファレンス1位タイの5勝1敗(勝率83.3%)と、ここまで好調をキープしている。

 主砲ジョエル・エンビードが平均32.5点、新進気鋭のタイリース・マキシーは25.5点、万能フォワードのトバイアス・ハリスは19.7点、新顔ケリー・ウーブレイJr.も18.0点と、この4人だけで平均100点近くを稼ぐ高火力のオフェンスに加え、守備でもディフェンシブ・レーティングでリーグ5位の107.3と高数値をマーク。攻守に隙のない戦いぶりを披露していると言っていい。

 なかでも、今季チームがこれほど好調な要因は、ウーブレイJr.の活躍によるところが大きい。ハーデンとともにPJ・タッカーがロサンゼルス・クリッパーズへ移籍したことに伴い、開幕4戦目からスターターに昇格した27歳のフォワードは、平均18.0点、フィールドゴール成功率51.4%、3ポイント成功率41.9%、フリースロー成功率82.6%、さらに自己最高ペースの3ポイント成功数(平均2.6本)と、見事なパフォーマンスを披露している。
  現地時間11月5日(日本時間6日)に地元メディア『The Philadelphia Inquirer』に公開された記事のなかで、ウーブレイJr.はこう話していた。

「僕はこのリーグで自分の実力を証明すべく、すごくハングリーなんだ。この夏は(去就先が決まらず)すごくストレスの溜まるものだった。だからこそ、僕はたくさんのエナジーが鬱積していて、すでに出来上がっているのさ」

 過去2シーズンはシャーロット・ホーネッツでプレーしていたウーブレイJr.。在籍2年目の昨季は平均20.3点、5.2リバウンド、1.1アシスト、1.4スティールという上々の数字を残したものの、完全FA(フリーエージェント)となって迎えた今オフ、新天地探しが難航し、9月下旬にようやくシクサーズ入りが決まるという状況だった。

 その上、年俸も約202万ドル(約3億98万円)と安価。自身が望むような契約を得られなかったことが、ウーブレイJr.のモチベーションを高め、ひいてはチームの好調につながっているのだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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