現代のNBAを代表するガードの1人であるジェームズ・ハーデンは、今夏にフィラデルフィア・セブンティシクサーズにトレードを要求し、交渉がもつれた末に開幕後の現地時間11月1日(日本時間2日、日付は以下同)にロサンゼルス・クリッパーズへの移籍が決まった。

 そんなハーデンに対し、かつてフェニックス・サンズでGM(ゼネラルマネジャー)を務めたライアン・マクドノーが厳しい見解を述べている。

 ハーデンはこれまで、ヒューストン・ロケッツ(2012〜21)やブルックリン・ネッツ(21〜22)に在籍していた時にもフロントにトレードを要求してチームを変えてきた。今夏は3560万ドル(約53億5000万円)のプレーヤーオプションを行使したのちにトレードを求め、シクサーズのダリル・モーリー球団社長は、クリッパーズと交渉の場を持った。

 しかし、8月に交渉が打ち切られたという報道が流れ、ハーデンはロケッツ時代からの関係であるモーリーを「噓つき」呼ばわりして不満を爆発させた。

 シクサーズと泥沼のトレード騒動を繰り広げた末に、11月1日に念願叶って自身が希望するクリッパーズへの移籍が決定したハーデン。6日のニューヨーク・ニックス戦でラッセル・ウエストブルック、ポール・ジョージ、カワイ・レナード、イビツァ・ズバッツとともに先発メンバーに名を連ねて今季初出場&新天地デビューを飾ると、31分間の出場で17得点、3リバウンド、6アシスト、フィールドゴール成功率66.7%(6/9)、3ポイント成功率50%(2/4)、フリースロー成功率100%(3/3)をマークした。
  史上8人目の3年連続得点王(18〜20)、17−18シーズンにはMVPにも輝いた実績を持つ実力者だが、34歳とベテランの域に入っていることもあり、ニーズは決して高くないという。

 ボストン・セルティックスのアシスタントGMやサンズのGMを務めた経験を持つマクドノーが『SiriusXM NBA Radio』に出演した際、ハーデンに対する率直な意見を口にした。

「フリーエージェント市場での人気は低い。ハーデン個人への関心はほとんどないと思う。大半のチームは、どんな金額だろうと、たとえノンギャランティミニマム契約であろうと欲しがらない」

 ハーデンはクリッパーズ加入会見でレナード&ジョージとの共闘に関して、「自分はブルックリンで同じような状況にいた。得点できる、ディフェンスとのミスマッチを作れる選手が2人(ケビン・デュラント&カイリー・アービング)がいた。だから問題はない。ピック&ロール、キャッチ&シュート、そのほかもできる。僕らにはいいコーチがいるし、アンセルフィッシュな選手たちがいる」と自信を覗かせていた。
  もっとも、トレードを強行させるなど“ワガママ”のイメージが定着してしまっていることもあり、クリッパーズで結果を残せなければ、NBAでの最後のシーズンになる可能性もゼロではない、とマクドノーは推察する。

「憂慮すべきことのひとつとして、ハーデンがチームでこのような事態に陥った場合、興味を示されることはないだろう。何の後悔や反省も見せず、LAに行き着き、最初のコメントが『俺がシステムだ』だった。ハーデンの自覚のなさは彼自身の価値を損ねている。
  クリッパーズはカワイ・レナードとポール・ジョージを擁し、数年前にはカンファレンス決勝まで進んだが、その後はケガで思うような結果を残せていない。ハーデンもLAで上手くいかなければ、来年リーグを去る可能性もあると思う」

 ハーデンにとって、2023−24シーズンは正真正銘の勝負の1年となりそうだ。

構成●ダンクシュート編集部

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