ヘッジファンドで巨万の富を築いたスティーブ・コーエン・オーナーの財力にモノを言わせ、今季はMLB史上最高の年俸総額3億6000万ドルの“銀河系軍団”を形成。しかし、開幕から波に乗れず、夏場にはジャスティン・バーランダー、マックス・シャーザーら主力を放出する散々な結果に終わった。しぼんだムードを一変させるためにも新たなスター選手獲得で景気付けが必要で、現地メディアもメッツが大谷へ「史上最高額をオファーする」と報じている。

 打線は30−30を達成したフランシスコ・リンドーアや46本塁打のピート・アロンゾなどすでにタレントが揃い、ここに大谷が加われば、ニューヨークの新たな売り物となることは間違いない。

 もっとも、それ以上に戦力として必要なのは投手・大谷だ。目下、先発投手陣で計算が立つ存在は千賀滉大のみ。トム・シーバーやドワイト・グッデンらチームが多数輩出した剛腕の系譜に日本人投手2人が名を連ねれば、奪三振にまつわる多くの話題を生み出すはず。ただ、大谷は来季登板できず、新任のデビッド・スターンズ編成総責任者もオフの最優先課題は投手陣強化を掲げており、大谷より山本由伸(オリックス)を推す声が少なくないのも事実だ。
  創設は1961年。57年までニューヨークにいたドジャースにブルー、ジャイアンツのオレンジを継承し、チーム名は「メトロポリタン=都会人」を意味する。当初は典型的な負け犬球団だったが、69年に奇跡的な快進撃で一気にワールドチャンピオンまで駆け上がり、“ミラクル・メッツ”と呼ばれた。

 同じニューヨークに本拠を置くヤンキースと比べると親しみやすいチームカラーが特徴で、今年8月に大谷の打球が球場の電光掲示板を破壊した直後には「請求書を送っておくね、ショウヘイ」とユーモアたっぷりのメッセージをスコアボードに表示した。

文●藤原彬
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