11月12日(日本時間13日、日付は以下同)。インディアナ・ペイサーズはリーグトップの成績を誇るフィラデルフィア・セブンティシクサーズとアウェーで対戦したが、試合の大半で相手にリードを許し、126−137で敗れて連勝が3でストップした。

 ここまでペイサーズはイースタン・カンファレンス3位の6勝4敗(勝率60.0%)と健闘しているが、リーグトップの8勝1敗(勝率88.9%)を誇るシクサーズ、イースト2位の8勝2敗(勝率80.0%)を残すボストン・セルティックスには今季2戦全敗となっている。

 とりわけ1日のセルティックス戦はハリバートンが欠場したとはいえ、敵地で51点差(104−155)の大敗を喫しており、まだイーストの強豪に対抗できるほどの力は有していない。

 それでも、今季のチームは就任3年目のリック・カーライルHC(ヘッドコーチ)の下、オフェンシブ・レーティング(122.0)とアシスト(平均30.7本)でリーグトップの数字を残している。さらに1試合(48分間)のポゼッション数を示すペースでも3位の103.4と、ハイペースなオフェンスを展開しており、フィールドゴール成功率49.8%、3ポイント成功率38.9%はいずれも2位にランクしている。

 そのペイサーズで最重要人物となっているのが23歳の司令塔タイリース・ハリバートンだ。昨季オールスターに初選出され、今夏はアメリカ代表としてFIBAワールドカップに出場した196㎝・84㎏という細身の長身ガードは、近年着実に評価を高めている若手スターの1人だ。
  今年7月にペイサーズとMAX額で延長契約を結んだハリバートンは、今季も平均23.8点、3.9リバウンド、1.0スティールにリーグベストの12.2アシストをマーク。チーム得点王でありながら、フィールドゴール成功率51.7%、3ポイント成功率40.9%(平均3.0本成功)と、高確率なショットも光る。

 13日に米メディア『The Ringer』へ公開された記事のなかで、ハリバートンはバスケットボール選手として成長するうえで、世界中で人気のバスケットボールゲーム『NBA 2K』が助けになったと明かしていた。

「実際に、僕が持つバスケットボールの知識の多くは、ビデオゲームから得たものなんだ。2Kをプレーしている時、自分の前からすべてを見渡せるカメラアングルになるから、そこで考えたりしているよ」

『NBA 2K』シリーズを参考にしているのはハリバートンだけでなく、昨季、最優秀守備選手賞を獲得したメンフィス・グリズリーズのジャレン・ジャクソンJr.は、このゲームでブロックショットのタイミングを掴み、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)はクリーブランド・キャバリアーズ時代、トレードでロスターが入れ替わった際、どのようにすれば新加入選手がフィットするかをゲーム内でシミュレーションしていた。
  ペイサーズにはハリバートンのほかにもマイルズ・ターナーやバディ・ヒールド、ベネディクト・マサリン、アーロン・ネスミスら優秀なタレントがいるほか、今オフの補強でブルース・ブラウンやオビ・トッピンといった即戦力を獲得し、選手層を厚くすることに成功した。

 だがチームの根幹はハリバートンで間違いないだろう。2シーズン連続で平均20点以上を記録しつつ、平均アシストも2桁に達している。平均パス回数は2年連続でトップ3入りしており、この期間にいずれも平均70.0本を超えているのはニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)とハリバートンのみということからも、チームオフェンスの絶対的中心と言えるだろう。
 「僕のバスケットボールスタイルは、誰もが一緒にプレーしたがるものなんだ。それがチームと契約を結んだ理由のひとつなんだと思う。僕がここに長期間にわたって在籍することができたのは、彼ら(ペイサーズのフロント)が僕ならこの地へ選手を連れてくる助けになるとわかっているからなんだ。つまり、彼らはバスケットボール選手としてだけでなく、僕の人間性も見てくれているのさ」

 キャリア4年目、23歳の若手ながら、リーダーとしてペイサーズを束ねるハリバ―トン。今季は自身初のプレーオフ進出も狙えるチャンスだけに、今後もそのパフォーマンスから目が離せない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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