ブルックリン・ネッツのベン・シモンズは、2016年のドラフト全体1位指名で大型ガードとして将来を嘱望された逸材だが、近年は伸び悩んでいる。元NBA選手のギルバート・アリナスは、名司令塔のマジック・ジョンソンを模倣しようとしていると警鐘を鳴らした。

 2016年にフィラデルフィア・セブンティシクサーズ入りしたシモンズは、ルーキーイヤーは右足骨折により全休したが、翌17−18シーズンに81試合に出場して平均15.8点、8.1リバウンド、8.2アシスト、1.7スティールの好成績で新人王を受賞。身長208cm、体重109kgの大型ポイントガードとして台頭していった。

 18−19シーズンから3年連続でオールスターに出場、スティール王(平均2.1本)に輝いた20年と21年にはオールディフェンシブ1stチームに選出されるなど、そのオールラウンダーぶりはリーグ内でも高く評価されていた。

 ただ、21年プレーオフで精彩を欠き戦犯になると、シーズン終了後にチームへトレードを要求。交渉は難航し22年2月にようやくネッツへのトレードが決まったが、21−22シーズンは背中のケガやメンタルヘルスの問題で結局1試合も出場しなかった。

 2シーズンぶりの出場となった昨季、平均6.9点、6.3リバウンド、6.1アシスト、1.3スティールにFG成功率56.6%という成績を残したものの、背中のケガとそのリハビリのため、オールスターブレイク以降を全休。オフのハードなトレーニングによって健康体を取り戻し、ネッツ所属3年目の今季は10試合中6試合に出場(全試合先発)して平均6.5点、10.8リバウンド、6.7アシスト、FG成功率52.8%を記録している。
  しかし、元NBA選手のアリナスは自身がホスト役を務めるポッドキャスト番組『Gil's Arena』で、シモンズは身長206cm、体重100kgの大型ポイントガードとして1980年代のレイカーズ黄金期を支えたマジックを模倣しているとして、自分のプレースタイルを完成させるようにアドバイスを送った。

「彼は存在しない何かになろうとしている。マジック・ジョンソンのスタイルを目指しているんだ。マジックはプレーメーカーだった。誰も自分を止められない時に得点し、パスを出すことをやめなかった。攻め込んでくる6フィート9インチ(身長206cm)のマジックを止めて、パスを防がないといけなかった。彼は文字通りバスケット(ゴール)を見ないし、自分自身が支配的になるのをやめたんだ」

 アリナスはシモンズのネッツ時代について、「ケビン・デュラント(現フェニックス・サンズ)がいる時は死んでいた。そして、さまざまな理由でプレーを拒んだ。彼はトレードが起こってからベストプレーヤーの1人であるべきだった」と言及。さらに、3ポイントをはじめ、シモンズが苦手とするロングシュートに関しても、「意図的にシュートを打たないのはセルフィッシュだ」と鋭く指摘した。

 一方、元NBA選手のチャンドラー・パーソンズはポッドキャスト『Run It Back』で、「ベンは深刻なメンタル面の問題を経験した。彼はもうオールスターにはなれない。でも、これはディスっているわけではく、彼はまだチームに貢献できる」と見解を述べている。

 浮き沈みの激しいキャリアを歩んできたシモンズもまだ27歳。この試練を乗り越え、かつての輝きを取り戻せるだろうか。

構成●ダンクシュート編集部

ネッツのシモンズが完全復活に自信「僕はオールスター選手よりさらにいい選手になりたい」<DUNKSHOOT>

アリナスがジョーダン擁する1990年代のNBAを否定?守備難とシュート力の欠如を指摘し「コビーがいたら平均50点取れた」<DUNKSHOOT>

「僕を悩ませることはない」。ヤングが“ドラフト同期”のドンチッチとの関係を語る「僕らはリスペクトし合っている」<DUNKSHOOT>