現地時間11月3日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦、延長の末に113−115で敗れたメンフィス・グリズリーズは開幕6連敗を喫した。

 NBAでの開幕6連敗以上は2018−19シーズンのクリーブランド・キャバリアーズ以来。グリズリーズとしてはフランチャイズ史上4度目、13連敗を喫した02−03シーズン以来となる苦しい序盤戦になっている。

 昨季までの2シーズン、グリズリーズは連続して50勝以上をあげ、ウエスタン・カンファレンス2位でプレーオフに出場してきた。

 だが今季は序盤からオールスターガードのジャ・モラント(25試合の出場停止処分)、先発センターのスティーブン・アダムズ(右ヒザ手術で今季絶望)、控えビッグマンのブランドン・クラーク(アキレス腱断裂で復帰時期未定)を欠き、5戦目からベテランのデリック・ローズ(ヒザ)も戦線離脱と、大幅な戦力ダウンに見舞われている。
  そうしたなか、チームはデズモンド・ベインやジャレン・ジャクソンJr.を中心に踏ん張り、10試合終了時点でかろうじて2勝をもぎ取った。ただ、14日のロサンゼルス・レイカーズ戦に107−134で敗れたことで、インシーズン・トーナメントのグループステージは3戦全敗。15日終了時点でウエスト最下位の2勝9敗(勝率18.2%)と低迷している。

 さらにレイカーズ戦では第1クォーター終盤に、マーカス・スマートが相手選手の足の上へ不自然に着地したことで左足首を捻挫。ルーク・ケナードも左ヒザを痛めて後半を欠場と、悪循環に陥っている。

 レイカーズ戦後、スマートは米メディア『SportsKeeda』のインタビューに応じ、「俺のモットーは『自分たちでコントロールできることをやっていく』ということ。若いチームは、すべてを完璧にこなしたいなら、どんな些細なことであろうとコントロールしなきゃいけない」と話した。その一方で、借金地獄の現状について苦しい胸の内も明かしている。

「辛いね。特にこのチームはここ数年、負け続けたわけじゃないから。昨シーズンの彼らは(ウエストの)第2シードを手にしていたし、それほど多くの試合に負けてはいなかった」 スマートが指摘した通り、現在の主軸は昨季まで3年連続でシーズン勝ち越しを経験し、プレーオフにも出場。順調にいけば、今季はウエスト制覇を見据えたシーズンになるはずだった。

 昨季までボストン・セルティックスに9シーズン所属していたスマートとしても、シーズン戦績で5割を下回ったのはルーキーだった2014−15シーズンのみ。5度も勝率6割超えを飾った常勝チームにいたのだから、初めての経験と言っていいかもしれない。

 モラントは最短で12月23日のアトランタ・ホークス戦に出場できる見込みながら、アダムズは今季絶望、クラークの復帰時期も未定。エース復帰後にすぐさま白星を量産できる保証はない。
  それでも、キャリア10年目を迎えた29歳のベテランガードは前を向く。

「負けていてもオーケーなのかを理解し、今もなお楽しんでハッピーでいていいのかを確かめているところだ。物事は好転していくだろう。このチームにとっては、思うように勝てない状況であっても楽しむことはすごく重要なんだ。俺たちがチーム全体で正しいマインドセットを持っているのであれば、物事は好転し始めていく」

 スマートの次戦出場状況はday-to-day(その日のコンディション次第)。18日のサンアントニオ・スパーズ戦まで中3日間空くため、十分休むことができるだろう。この男の魂の込もったハッスルプレーがチームを鼓舞し、さらなる勝利へとつながることを期待したい。

文●秋山裕之(フリーライター)