このシリーズでは、多くのテニスの試合を見ているプロや解説者に、「この選手のここがスゴイ!」という着眼点を教えてもらう。試合観戦をより楽しむためのヒントにしてほしい。

 第29回は、「狛江インドアATPジュニアチーム」でプロやジュニア育成に携わる奥大賢氏に話を聞いた。奥氏が推すのは、自身がコーチとして帯同していた本玉真唯選手だ。

 本玉選手の強みについて問うと「一番は走れることです。本当によく走るし、絶対にどんな球でも諦めずに追います」との答え。「スタートダッシュが早いですし、ずっと動き続けることができます。どんなに走っても疲れているところを見たことがないです。すごく走らされたポイントの次でもしっかり動けるので、そういうところがすごいなって思います」と奥氏は力説する。

 その根底にあるのは、日頃行なっている練習だ。奥氏は「練習の前も、1時間くらいかけてアップするんです」と明かし、他の女子選手と比べても入念にアップをしているそうだ。動く練習が多く、振られることには慣れているという。
  それではどういう時に本玉選手のプレーが光るのだろうか?「走って打つこともできるので、カウンターショットが得意です。ディフェンスからオフェンスに形勢逆転できます。フォア、バックともに動けますし、前の動きも早いのでドロッショットもしっかり拾います」と長いラリーでのポイントこそ、自信を持ってプレーができる。

 さらに、「打った後のリカバリーが早く、すぐ次に打つ準備ができている」とのこと。相手としては振っても、振っても返ってくるので、嫌なタイプかもしれない。

 今年は9月のジャパンOPでベスト4入りし、続く東レPPOでは2回戦でシフィオンテク(世界2位)に敗退するも大熱戦を演じた本玉選手。持ち味であるフットワークを武器にこれからの活躍に期待したい。

◆本玉真唯(島津製作所)
1999年8月30日生まれ。164㎝、右利き、両手BH。15歳で世界スーパージュニアを制し、2018年にプロへ転向。翌年の全日本選手権で優勝を飾る。22年のウインブルドンでは2回戦へ進出。今年は9月のジャパンOPでベスト4入りを果たし、10月には自己最高120位をマークしている。

取材・文●前道右京(スマッシュ編集部)
※『スマッシュ』2023年8月号を再編集

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