先週の男子テニスシーズン最終戦「Nitto ATP ファイナルズ」で最多記録を更新する7度目の優勝を飾った世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)。今季はウインブルドン以外の四大大会3つを制覇し、全米では前人未到のグランドスラム24タイトル目を獲得。自身8度目の年間1位も手にし、36歳にしてその強さが衰える気配は全く見られない。

 そんな彼にも未だ成し遂げていないことが1つある。五輪シングルスでの金メダルだ。2021年東京大会では男子選手初の年間ゴールデンスラム(1年で全四大大会と五輪を制すこと)が懸かっていたが、準決勝でアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/現7位)に痛恨の逆転負けを喫し、3位決定戦でもパブロ・カレノブスタ(スペイン/元10位/現601位)にフルセットで敗退。

 ニーナ・ストヤノビッチ(セルビア)と出場した混合ダブルスの3位決定戦はジョコビッチのケガにより棄権し、テニス界のスーパースターは単複でメダルを逃すまさかの結末に終わった。

 幾多の輝かしい功績を手中に収めているジョコビッチだが、五輪にはこれまで計4度出場するも最高成績は初参戦だった08年北京での銅メダル。12年ロンドンは3位決定戦、16年リオは初戦で敗れ、直近3大会ではメダルを獲得できなかった。だからこそ来夏のパリ五輪には並々ならぬ闘志を燃やしている。

 ファイナルズ決勝後のメディア対応でジョコビッチは来季の目標を問われ、「4つのグランドスラムに勝つことと、五輪での金メダル獲得だね。特に後者は大きなゴールの1つなのは間違いない」と回答。年間ゴールデンスラムに再挑戦する意志を示し、目標達成へのモチベーションも非常に高いと明かした。
 「僕は常に最高の野心を持ち、最高の目標を掲げている。それは来年も変わらないだろう。意欲はまだ残っているし、身体も僕が望むことにしっかりと応えてくれている。周りには素晴らしいチームメンバーもいる。このスポーツにおける最大のトーナメントへのやる気は依然として持っている。それが今でも僕を前進させるためのインスピレーションを与えてくれる」

 なおパリ五輪のテニス競技はウインブルドンの約2週間後の開催を予定しており、会場は全仏オープンと同じローランギャロスのクレーコート。すなわち来季はクレーシーズン、芝シーズンを終えてから再度クレーに舞台が戻るという変則サイクルとなるわけだ。これを踏まえてジョコビッチはチームと共に初の金メダル獲得への準備を進めていきたいと語った。

「来年はクレーから芝、芝からクレー、そして北米ハードシリーズという非常に複雑なスケジュールだ。非常にタフで、挑戦的な1年になる。自分が望む場所で最高のテニスができるよう、どのように計画するかをチームと話し合う必要がある」

 来年こそはジョコビッチが五輪の表彰台の最も高い場所に立つ姿を見られるか。過酷な夢への挑戦をしっかりと見届けていきたい。

文●中村光佑

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