現地時間11月21日、NBAでは今季から導入されたカップ戦「インシーズン・トーナメント」のグループステージ5試合が開催された。

 イースタン・カンファレンスのグループAで2戦負けなしのインディアナ・ペイサーズは、19日に『NBA.com』に公開されたインシーズン・トーナメント版のMVP候補ランキングでトップに選出されたタイリース・ハリバートンが、この日のアトランタ・ホークス戦でも殊勲の活躍を見せた。

 ペイサーズは第2クォーターに最大20点差をつけられるも、13点ビハインドで迎えた第3クォーターにハリバートンが大爆発。この12分間はシュートが面白いようにリングへ吸い込まれ、3ポイント8本中7本成功を含む26得点に4アシストをマークして試合を引っくり返した。

 同クォーターを46−28と圧倒したペイサーズは、最終クォーター残り1分32秒にトレイ・ヤングのステップバックジャンパーで一時逆転を許すも、直後にバディ・ヒールドが値千金の3ポイント2本を突き刺し、最終スコア157−152でハイスコアリングゲームを制した。
  ハリバートンが37得点、5リバウンド、16アシスト、3スティールの活躍でチームを牽引。さらに6本の長距離砲をノーミスで沈めたヒールドが24得点、オビ・トッピンが21得点、6アシスト、ベネディクト・マサリンが19得点、アーロン・ネスミスが17得点、ブルース・ブラウンが13得点、マイルズ・ターナーが11得点、9リバウンド、4ブロックと続いた。

 グループステージ3連勝を飾ったペイサーズは、24日のデトロイト・ピストンズ戦を残して決勝トーナメント進出が決定。12月4、5日に開催される準々決勝で勝利すれば、7日にラスベガスで行なわれる準決勝へ駒を進めることとなる。

 今夏にアメリカ代表としてワールドカップを戦ったハリバートンにとって、このインシーズン・トーナメントは大きな意味を持っているようだ。米スポーツ専門局『ESPN』で、本人が語っている。

「インシーズン・トーナメントは、僕にとっておそらく初めて本当の意味でチャンピオンシップを競い合えるものなんだ。僕はこれまでプレーオフに出場したことがない。だからこれは僕にとって王座獲得のチャンスを与えてくれるものなんだ。非常にワクワクするものになっているよ。

 こういった試合は、間違いなく通常のゲーム以上の活気があるし、エキサイティングだ。リーグにとっても楽しい時間になっている。僕らはこのインシーズン・トーナメントをより大きなものにしようとしているよ」 インシーズン・トーナメントはその名の通り、82試合のレギュラーシーズンの中に組み込まれ、決勝以外はすべてシーズンの成績に含まれる。史上初の「NBAカップ」をかけた戦いということもあり、毎週火・金曜日(現地時間)に行なわれるグループステージの試合は日々盛り上がりを見せている。

 この日のペイサーズ対ホークス戦も、延長なしのレギュレーション(12分×4クォーター)ながら両チームとも150点を超えるハイスコアリングゲームに。ペイサ―ズがフィールドゴール成功率60.6%(57/94)、3ポイント成功率48.9%(22/45)を残せば、ホークスも同60.0%(57/95)と48.4%(15/31)と高精度なショットの応酬となった。

 ペイサーズのリック・カーライルHC(ヘッドコーチ)も「これはプレーオフの環境だ」と語り、今日の一戦は「レギュラーシーズンの名勝負。ファンの皆さんにとっても観ていて本当に楽しいものだったと思う」と好感触を口にしていた。
  なお、ウエスタン・カンファレンスのグループAではロサンゼルス・レイカーズがユタ・ジャズに131−99で快勝。グループステージ4戦全勝とし、ペイサーズと同じく決勝トーナメント進出を決めている。

 4戦先勝で最大約2週間も同じ相手と対戦するプレーオフのシリーズとは異なり、インシーズン・トーナメントの準々決勝以降は負けたら終わりの一発勝負。各カンファレンスにおける3つのグループの首位と、それ以外で最も成績が良かった2位チームの計8チームが先のステージへ進むことができるため、今後の展開にも注目していきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)