F1最終戦のアブダビ・グランプリは11月25日に予選が行なわれ、アルファタウリの角田裕毅は自己最高となる6番グリッドを手に入れた。
  フリー走行3回目では15周の走行で全体9番手となる1分25秒222のベストタイムを計測した角田は、予選に入っても継続して好タイムを記録し、Q1、Q2ともに余裕をもって通過すると、日本GP以来となるQ3では1分23秒台に乗せ(1分23秒968)、レッドブル、フェラーリ、メルセデス、マクラーレン勢に次ぐ好ポジションを獲得するともに、2021年オーストリアGPでの7番手というこれまでの自身の予選最高順位を上回ってみせた。

 ウィリアムズ勢がいずれもQ3に進めなかったことで、アルファタウリのコンストラクターズ・チャンピオンシップ7位浮上の望みが膨らんでくるとともに、その成否の鍵を担うことになった23歳は、自身のSNSで「ビッグスマイル」と喜びを表わすとともに、チームのプレスリリース等を通しても、ポジティブに予選を振り返るとともに、決勝への意気込みを語っている。

「今日は楽しい1日でした。特に予選は。チームはとても良い仕事をしてくれました。昨日は我々にとって簡単な日ではありませんでした。導入したアップグレードは、理論上は良さそうでしたが、バランスの面では過去のレースとはかなり異なっていて、最初はそれらを理解するのに苦労しました。それでも、データを分析し、変更を加えることで、セッションごとに進化しました。セッションが進むにつれ、よりドライビングが快適に感じ、予選では本当に良い車になりました」

「チームは素晴らしく、皆の努力がなければ、明日の6番手スタートはありえませんでした。ポイントを獲得する上で、良いポジションにつけました。後ろには幾台も速い車がいますが、タイヤのデグラデーションが激しいようなので、レースでは何が起こるか分かりません。トップ10でのフィニッシュは可能だと思うので、できる限り頑張り、上の順位でフィニッシュしたいと思います」
  また、F1公式サイト『F1.com』のインタビューでは、「熾烈を極めるチャンピオンシップにおいて、このレースは本当に重要なレースです。(7位奪取を)達成できることを心から願っているし、必ず達成できると思っています」と、チームの目標に向けて強い意思を示した角田。そして、今季限りで退任するフランツ・トスト代表にチャンピオンシップ7位をプレゼントしたいかどうかを訊かれて、以下のように答えた。
 「はい、100%。トストさんがハッピーになれればいいなと思っています。6番グリッドからスタートに、彼は満足してくれているでしょう。決勝では(チームが7位になるには最低でも)6位でレースを終えなければならないのは分かっています。そして、チャンピオンシップ7位は、彼への最高の贈り物になると思います。これは不可能なことではありません。僕はトストさんの嬉しそうな顔を見たいだけです。彼なしで、僕はドライバーとしてこのように成長することはできなかったので。だから、結果で感謝したいです。できる限りのことをします」

 アルファタウリはSNSで、角田の予選結果やチームの働きを「メガ」という単語を使って称賛したが、チーフ・レースエンジニアのジョナサン・エッドルズも、「ユウキは素晴らしい仕事を果たした。終始非常に競争力があり、Q3に進出して、最後アタックでは新品タイヤセットで素晴らしいラップを記録し、1分23秒台に突入して6番グリッドに並んだ。前の顔ぶれを見れば、これが彼にできる最大限のことであり、これまでのところユウキにとっては力強い週末となっている」とポジティブなコメントを残している。

 角田に対して賛辞を贈るのはチーム内だけでなく、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』でコメンテーターを務める元F1ドライバーのマーティン・ブランドルは、日本人ドライバーがポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)から約0.5秒差のタイムを計測すると、「角田の多大なる努力によるものだ」と褒め称えた。 各国専門メディアの報道を見ると、フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』は、「ユウキはアブダビの予選で素晴らしいパフォーマンスを発揮。アルファタウリの日本人ドライバーは、決勝で3列目からスタートすることになる。彼は、アルファタウリの進化を活かすことに成功した」と伝え、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は以下のように綴っている。
 「スーパーな角田が、アブダビで3列目のグリッドを獲得した。予選で6番手につけた日本人ドライバーは、アルファタウリを上位勢に近づけ、チャンピオンシップの7位争いで、ウィリアムズとの7ポイント差を埋めるため、困難を乗り越えようとしている」

 最後に、オランダのF1専門サイト『RN365』は、「アブダビGP予選の勝者」にフェルスタッペン、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)とともに角田を選出。「ユウキは、チームが7位に浮上するために必要な8ポイントを獲得するため、個人的な使命に取り組んでいるようだ。AT04はうまく機能しており、日本人ドライバーはダニエル・リカルド(15番手)を打ち破った。アルファタウリでの未来は明るい」と記述。そして、彼にとってアブダビが相性の良いコースであることを紹介し、2年前の4位フィニッシュにも言及した。

構成●THE DIGEST編集部

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