先週末のアブダビ・グランプリで2023年のF1は幕を閉じたが、アルファタウリの角田裕毅にとっては、予選で自己最高の6番手につけ、決勝でも1ストップ戦略によって5周にわたってトップを走行し、素晴しいバトルの末に8位入賞を飾ったことで、良いシーズンの締めくくりだったと言えよう。

【動画】最後はハミルトンとのデッドヒートを制す! 角田裕毅の激走をチェック 明らかに他より性能の劣るAT04を駆りながらも、最大限の力を引き出せることで、序盤で2度の獲得ポイント、それ以外のレースでも入賞圏に僅差の11位フィニッシュと奮闘した角田は、ニック・デ・フリース、ダニエル・リカルド、リアム・ローソンと何度も変わったチームメイトとの対決にも勝利し、終盤戦では車の改善によって、2度の8位フィニッシュ、ファステストラップ記録、チーム初のスプリント入賞(6位)などの偉業も成し遂げてみせた。

 このような、実り多き1年を過ごしてきた日本人ドライバーに対しては、シーズンを通して各方面から高評価が下されてきたが、閉幕した今、今季レースに出走した計22名のドライバーを様々な形で査定している各国メディアからも、多くの賛辞が贈られている。イギリスのスポーツ専門チャンネル『Sky Sports』は、10点満点の採点で全体8位タイ(ローソンと同じ)となる「7」を角田に与え、以下のように彼のシーズンを総括した。

「日本人ドライバーはシーズン前半、後にチームによって解雇されるルーキーのニック・デ・フリースを全体的に凌駕するなど、堅実なパフォーマンスを持続した。そして、ダニエル・リカルドを新たなチームメイトに迎えてからも、この8度の優勝を誇るベテラン相手にも互角以上の戦いを披露。シーズン後半のアップグレードで「AT04」が改善されると、テキサス、ブラジル、アブダビでは、ポイントを獲得する力強さを示した」

「すでに、F1で66戦のグランプリに出場(決勝レース出走は63回)している23歳は、まだ自身がマックス・フェルスタッペンとともにレッドブルの“トップチーム”で走行するのに相応しいことを示すほどのスキルはまだ見せていないが、来季のリカルドとのチーム内競争は、興味深い基準となるだろう。角田にはまだ改善すべき点があるが、そのひとつはその気質だ。もっとも、彼のコース上での感情的な反応は、今なお大いにエンターテイメントを生み出している」
  イギリスの日刊紙『The Telegraph』も同採点(9位)で、「デ・フリースとの競争では、角田が良いシーズンを送っているのかどうかが分かりにくかった。最初の5戦での、2回のトップ10(いずれも10位)と3回の11位という成績は、それが正しいことを示唆してはいたが、オランダ人ドライバーがチームを離れてからは、角田にとってF1での最高のシーズンであることが明らかになった」と綴り、さらに以下のように続けている。

「後半にはリカルド、そしてリアム・ローソンが、より厳しい競争相手となったが、大幅に改善されたAT04により、角田はシーズン最後の5戦で14ポイントを獲得してみせた。上位5チーム以外のドライバーで、それ以上の成績を上げたのはピエール・ガスリー(アルピーヌ)だけである」
  スポーツ専門チャンネル『FOX SPORTS』のオーストラリア版は、ランキング形式で角田を 実際のドライバーズランキング(14位)より上の「13位」に選定。しかし、寸評では彼がチームにもたらしたものと同様、失ったものも少なくなかったことを、下記のように指摘している。

「ユウキはもっと、上位のポジションを獲得するべきだと主張できる。キャリアにおける重要なシーズンで、彼は3人のチームメイトとの比較で、良い成績を収めた。しかし、素晴しい高ポイントを挙げたレースが幾つかあった一方で、この日本人ドライバーには依然として、重要な一貫性が欠けていた。メキシコGPでは、オスカー・ピアストリとの愚かな接触で7位の座を失ったことで、コンストラクターズ・チャンピオンシップの7位争いでウィリアムズを打ち負かすために必要だったポイントよりも多くを取り逃すこととなった」

 イギリスのF1専門サイト『PLANETF1.COM』は、各レースでの採点の平均値によってランキングを作成。ここでは、角田は実際の順位より低い「15位」(平均採点は「6.32」)に終わったが、寸評は比較的にポジティブな内容のものとなった。

「ユウキの素晴らしいパフォーマンスは、そのドライビングスタイルの一部である数少ないミスと混ざり合っている。シーズン開幕後にAT04が十分に良くなかった時、彼はポイント獲得のために本当によく頑張ったが、結局、あと一歩のところでこれを逃すレースが幾つかあった。車が改善されると、『リカルドが負傷から復帰すれば角田を圧倒する』という見方が的外れであることが示され、日本人ドライバーはアブダビで素晴らしいレースを展開してシーズンを締めくくった」

 最後に、イギリスのモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、角田の今季を振り返る記事の中で、9月に契約延長が決定した彼が「レッドブルが2024年にローソンをフルタイムドライバーとして迎えるため、違約金を支払われてチームを追われる可能性もあった」と不安定な立場にあったことを伝えながらも、彼の今季のパフォーマンスを称賛している。

「それは間違いだった。角田はF1シートを維持するのに値する。2023年の彼のパフォーマンスがそれを証明し、さらにシーズン終盤の彼の走りがその主張を正当化した。もし、彼が完璧な仕事をしていれば、アルファタウリはチャンピオンシップで7位になれていたかもしれない。しかし、チームがそのような位置まで上昇できたのは、角田の功績によるところが大きいのも事実だ」

構成●THE DIGEST編集部

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