現地時間11月30日(日本時間12月1日、日付は以下同)、マイアミ・ヒートは本拠地カセヤ・センターでインディアナ・ペイサーズと対戦。前半途中にバム・アデバヨが腰を痛めて離脱するなか、足首のケガから3試合ぶりに復帰したジミー・バトラーが36得点、11リバウンドの大活躍で142−132の勝利を飾った。

 連敗を3でストップしたヒートは、バトラーのほかにルーキーのハイメ・ハケスJr.が24得点、5リバウンド、ジョシュ・リチャードソンが19得点、4リバウンド、ダンカン・ロビンソンが16得点、カイル・ラウリーが15得点、ケイレブ・マーティンが14得点、5リバウンドで勝利に貢献。

 試合後、エリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)は「第4クォーターのディフェンスは本当に良かったと思う。相手は簡単に守れるチームじゃないのだから」と、ラスト12分間をフィールドゴール成功率37.5%(12/32)に封じたディフェンスを評価した。
  その一方で、バトラーが「俺たちのスタイルじゃない。でも勝ちは勝ちだ」と話したように、第4クォーターのヒートは“異例”とも言えるほど超攻撃的チームと化した。

 最後の12分間でフィールドゴール成功率83.3%(15/18)、フリースロー成功率92.9%(13/14)の計45得点と大爆発(ペイサーズは32得点)。『ESPN』によると、ヒートが第4クォーターに45得点をマークしたのは1989年3月2日のニューヨーク・ニックス戦(48得点)以来のことだった。

 当時のヒートはフランチャイズ創設1年目。現ロスターではカイル・ラウリー(1986年誕生)とケビン・ラブ(1988年誕生)以外は生まれておらず、リーグではマジック・ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ)や、アイザイア・トーマス(元デトロイト・ピストンズ)といったレジェンドの全盛期だった。

 この日の結果によって、今季成績を11勝8敗(勝率57.9%)としたヒートはイースタン・カンファレンス6位に。2連敗のペイサーズは9勝8敗(勝率52.9%)の同7位となった。 得意のハイスコアゲームを落としたペイサーズは、牽引役のタイリース・ハリバートンが前半だけで28得点を奪い、キャリアハイの44得点に10アシスト、3スティールの爆発を見せた。

 今季、平均27.0点、3.6リバウンド、11.8アシストをマークする23歳のポイントガードは、シーズン最初の15試合で375得点&175アシスト以上をクリアしたNBA史上4人目の選手になるなど絶好調。試合前、敵将のスポールストラHCは今夏にワールドカップのアメリカ代表として共闘したハリバートンについてこう話していた。

「昨年、彼らは主要選手を何人か欠きながらも上手く戦っていた。それこそ“ハリバートン効果”だと思う。彼は周囲の選手たちの自信を高めて、アグレッシブにプレーさせてしまう。チームメイトはボールをあまり持たなくても、動き回ることで(ハリバートンに)生かされるんだ」
  この日のペイサーズはハリバートンのほか、オビ・トッピンが25得点、ブルース・ブラウンが15得点、6リバウンド、3アシスト、マイルズ・ターナーが13得点、9リバウンドを残すなど、計6選手が2桁得点をあげた。

 高確率なショットでゴールを奪いつつ、的確なパスで味方を生かすハリバートンは、今季のペイサーズを語る上で不可欠で、チームはオフェンシブ・レーティング(122.5)と平均得点(127.9)でいずれもリーグトップの数字を誇る。

 オフェンシブ・レーティングの歴代最高値は昨季のサクラメント・キングスが叩き出した118.6、平均得点は1981−82シーズンのデンバー・ナゲッツが残した126.48だが、今季のペイサーズはそのどちらも塗り替えるペースで得点を量産している。

 ロスターには若手が多く、まだ発展途上とはいえ、攻撃の要であるハリバートンがいる限り、ペイサーズの将来は安泰と言えそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)