男子テニスの21歳以下のシーズン最終戦「Next Gen ATPファイナルズ」(11月28日〜12月2日/サウジアラビア・ジッダ/ハードコート/FIN)は、現地2日にシングルス決勝を実施。第6シードのハマド・メジェドビッチ(セルビア/世界ランク110位)が、第1シードのアルテュール・フィス(フランス/同36位)を3-4(6)、4-1、4-2、3-4(9)、4-1のフルセットで下し、同大会初の優勝を飾った。

 4ゲーム先取(ゲームカウント3-3でタイブレーク)での5セット方式や、ノーアドバンテージ(デュースなし)など通常のツアー大会とは異なる特殊ルールで行なわれる本大会。4名ずつに分かれて戦うラウンドロビン(総当たり戦)を3勝0敗で突破した20歳のメジェドビッチは、現地1日に行なわれた準決勝で対戦相手のドミニク・シュトリッカー(スイス/94位)が腰の負傷による途中棄権を表明したことで決勝進出を決めていた。

 そのメジェドビッチの決勝の相手は今年5月の「リヨン・オープン」(フランス/ATP250)でツアー初優勝を飾るなど今季大躍進を遂げた19歳のフィス。自分よりもはるかに格上の相手に物怖じせず向かっていくメジェドビッチは、精度の高いサービスを軸に順調にキープを継続。だがタイブレークでは2本のセットポイントを生かせず、逆転で第1セットを奪われてしまう。

 トイレ休憩を挟んでからはメジェドビッチが落ち着いたプレーを披露。第1ゲームから3ゲームを連取してそのままセットオールとすると、第3セットも第1ゲームでいきなりブレークに成功するなど相手に流れを渡さず、優勝まであと1セットに迫る。

 迎えた第4セットは両者一歩も譲らないままこの日2度目のタイブレークに突入すると、激しい点の取り合いから一歩抜け出したメジェドビッチが先にマッチポイントを獲得。しかし第1セット同様にまたしても重要なポイントを取り切れず、息を吹き返したフィスの猛反撃に遭い2セットオールとされる。
  それでもファイナルセットに入るとメジェドビッチは、ファーストサービスが入った時に92パーセントの高い確率でポイントを取得して主導権を掌握。第2ゲームで奪った1ブレークのリードを守り切って勝利を収めた。

 試合後に応じたATP(男子プロテニス協会)のインタビューでメジェドビッチは好調のフィスに競り勝って優勝を手にしたことへの喜びを語った。

「このタイトルを獲得したことは(まだ)信じられないが、来シーズンに向けて大きな自信になると思う。アルテュールは素晴らしい選手で、彼がトップ40に入っているのにはそれ相応の理由があるわけだから、本当にうれしいよ」

 先月中旬のツアー最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(イタリア・トリノ/ハードコート)は、同郷の世界王者ノバク・ジョコビッチが制しており、2つのシーズン最終戦でセルビア人選手が頂点に立つのは史上初の快挙だ。これを踏まえてメジェドビッチは「僕もノバクもセルビア出身だ。彼は真のファイナルズで優勝し、僕は次世代のファイナルズで優勝した。明らかにこれは大きな功績であり、何らかの形でノバクの足跡をたどることができてうれしく思う」と満足気にコメントした。

 おそらくジョコビッチも期待の後輩のファイナルズ制覇を誇りに思っていることだろう。今後のメジェドビッチのさらなる飛躍を期待したい。

文●中村光佑

【動画】メジェドビッチがフィスに勝利したNext Gen ATPファイナルズ決勝のハイライト

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