現地時間1月27日と28日、バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガで2023-24シーズン・コッパ・イタリアの準決勝と決勝が行なわれた。男子日本代表の石川祐希が所属するパワーバレー・ミラノは、初日の準決勝でシル スーサ ヴィム・ペルージャと対戦し、セットカウント2−3(25-20、23-25、15-25、25-23、11-15)で熱闘の末に惜しくも敗れ、念願の決勝進出はかなわなかった。

【PHOTO】しなやかに舞う! 日本男子バレーが誇る”エース”石川祐希の厳選メモリアルフォトを一挙公開! 会場のエミリアロマーニャ州ボローニャに位置するウニポル・アリーナは、同国最大級のインドア・アリーナの一つ。2022年に男子日本代表がネーションズリーグの決勝ラウンドでフランス代表と4強入りを争った舞台に観客7,562人を迎えて、初日の準決勝が開催された。

 ミラノは一昨年、トレンティーノに完敗して準決勝で敗退。昨年はリーグ優勝を飾ることになる同クラブとの再戦で、完璧を越える活躍を見せた石川が2セット先取へチームをけん引し、決勝が目の前だった。しかし、第3セット途中にそのエースが脚の筋肉けいれんで途中交代を余儀なくされると、求心力を失ったチームは逆転を許して2年連続の4強に甘んじた。

 そして、今季はレギュラーシーズン前半6位で出場した準々決勝で2連覇を狙うピアチェンツァを撃沈し、この舞台へ戻ってきた。石川とミラノにとって、ファイナリストの称号へ3年越しとなる挑戦の相手は、昨年の大会を同じく準決勝敗退で終えた同2位のペルージャだ。アンジェロ・ロレンツェッティ新監督の下、18歳で伊リーグ優勝と最優秀選手賞を経験したイタリア代表の正セッター、シモーネ・ジャンネッリを要に、アウトサイドヒッター(OH)としては決して大柄ではない194cmのカミル・セメニュク(ポーランド)とオレフ・プロツニスキー(ウクライナ)が安定したパフォーマンスを継続中で、新加入のオポジット(OP)ワシム・ベンタラ(チュニジア)も好調。主将のOHウィルフレド・レオン(ポーランド)は長引く膝の故障でサーブのみの出場が続く一方で、代表シーズンに足首捻挫を負ったミドルブロッカー(MB)ロベルト・ルッソ(イタリア)がコートに戻り、戦力を上げている。

 直近の対戦は、昨年12月の前半戦最終節。ミラノは腰痛による離脱から復帰が待たれていた石川を2セット目からコートへ送り出し、大逆転でアウェー戦に勝利した。2019-20シーズンから指揮を執るロベルト・ピアッツァ監督は、OHに石川とマテイ・カジースキ(ブルガリア)、セッターがパオロ・ポッロ(イタリア)、MBはアグスティン・ロセル(アルゼンチン)と主将マッテオ・ピアノ(イタリア)、OPフェレ・レゲルス(ベルギー)を先発に起用してこの対決に挑んだ。 第1セット、石川の好守からカジースキが2得点を決めてリードを奪ったミラノは、サーブエラーが2本続いて同点とされる。だが、石川のブロックアウトに続き、ポッロの巧みなネット際の対応とエースで猛攻をスタート。ロセルのサーブで3連続ブレークの後、レゲルスのエースと石川のライト攻撃などでリードを広げて試合を先行した。
  第2セットは序盤を優位に進めるが、カジースキの誤打に続きラリーを立て続けに落とし、サーブにもミスが出て接戦へ。不安定なレセプションから4失点に見舞われるなか、このセットまでアタック決定率100%の石川が3枚ブロックの上からレフト弾を叩き込んでサイドアウトを奪い、さらにサーブで3連続ブレークを引き出して2点差まで追い上げる。相手のセットポイントを2度にわたり阻止して粘るも僅差でセットを奪取された。

 第3セットは被ブロック5本のほかレセプションでも苦しみ、終始劣勢のまま献上。後がなくなり迎えた第4セットも前半を終えて8点のビハインドを負い、窮地に立たされる。だが、幾度もの対戦でペルージャの前に立ちはだかってきた石川がそこから猛反撃の狼煙を上げる。まずは、エース1本を含むサーブで3連続ブレークの起点となり、味方の好守から2段トスで追加点を演出。レゲルスのブロックとエースで1点差に迫ったところで、逃げる相手をブロックアウトで2度にわたり捕らえて同点とする。そして、22-22でライトからの強烈な打球を放ちついに逆転。直後に再びサービスラインから攻め込み、浮足立ったペルージャのミスを誘発してつかんだセットポイントを自らのバックアタックで仕留めてフルセットへ持ち込んだ。

 突入した第5セットを石川の先制点でスタートさせたミラノは、以降、2連続の被ブロックなどで5点のビハインドを負ってコートチェンジ。終盤に相手のミスが続いたところでポッロがエースを決めて11-12として粘るも次のサーブが入らない。リリーフサーバーにレオンを投入して勝負に出たペルージャに対し、ミラノは好守で持ち込んだラリーを落として握られたマッチポイントで、エースを許して試合終了。最後まで奮闘を続けたが僅かに及ばず、決勝進出の悲願は悔しくも実らなかった。
  石川は、チームトップの17得点(アタック16、エース1)を挙げる活躍でチームの背中を押し続けた。イタリア公営放送『Rai』の解説者で90年代黄金期の同国代表・主将アンドレア・ルッケッタ氏は、勝敗の行方を握る選手を、「間違いなく“イシカワ”」と試合前に予想。勝利にはあと一歩届かなかったものの、その言葉通りに第4セットの大量8点ビハインドからの衝撃的な逆転劇の原動力となった“天敵”の獅子奮迅ぶりは、今回もペルージャに脅威を与えた。
  なお、準決勝のもう1試合は直近リーグ戦で左足首を負傷した高橋藍を欠くモンツァが、リーグ昨季王者のトレンティーノを撃破してファイナリストに。現地翌日の決勝では、ペルージャが1セットを先取したモンツァを逆転で下して、スーペルコッパと世界クラブ選手権に続く今季三冠目を飾った。

 5位ミラノの次なる目標はプレーオフへ向けての順位浮上。次戦のリーグ後半6節(日本時間2月4日午前2時30分開始予定)で、降格圏に沈む12位ファルミタリア・カターニャとのホーム戦に臨む。

構成●THE DIGEST編集部

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