フィラデルフィア・セブンティシクサーズのジョエル・エンビードは、10年目の今季もリーグトップの平均36.0点に11.4リバウンド、5.8アシスト、1.1スティール、1.8ブロック、FG成功率53.9%と好成績を残している。

 シクサーズにとって不動のエースだが、左ヒザを痛めて1月27日(日本時間28日)のデンバー・ナゲッツ戦から2試合を欠場。近年MVPを争ってきたナゲッツのニコラ・ヨキッチとの対戦を避けたと批判されたが、元NBA選手のギルバート・アリナスはエンビードを援護している。

 昨季初のMVPに輝いたエンビードは、今季もハイパフォーマンスを披露。1月22日のサントニオ・スパーズ戦では、史上9人目となる70得点を叩き出した。

 25日のインディアナ・ペイサーズ戦でも31得点、7リバウンドを記録。続く27日にデンバーで行なわれたナゲッツ戦は当初、故障者リストにエンビードの名前は載っておらず、2020−21シーズンから3年連続でシーズンMVPレースの1位、2位を占めてきたヨキッチとのセンター対決に期待が集まった。

 しかし、シクサーズは試合開始15分前にエンビードが左ヒザの負傷により欠場することを発表。私服姿でベンチ観戦していたエンビードに対し、ナゲッツファンは第4クォーターに大ブーイングを浴びせた。大黒柱を欠いたシクサーズは、ヨキッチに26得点、16リバウンド、7アシスト、2スティールと躍動を許して105−111で敗れている。
  ナゲッツのマイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)は、試合後の会見でNBAに調査を要請。「うちの選手たちは(エンビード欠場を)知らなかった。コートに出てウォーミングアップしていたからね。我々は不快に感じた。リーグと今シーズンについて話した時、もし選手のステータスがアクティブからアウト(欠場)になった場合、彼らは調査を行なうだろうと言っていた。リーグが対処すると確信している」と語った。

『ESPN』のラモーナ・シェルバーン記者によれば、エンビードは「ウォームアップ中にジャンプすらできなかった」「彼はプレーしたかった」という。しかし、エンビードに対してはヨキッチとの対戦を避けたと揶揄する声も少なくない。そのなかで、アリナスは自身がホスト役を務めるポッドキャスト番組『Gil's Arena』で、この一件について言及した。

「彼(エンビード)が対戦を回避した? なぜ逃げる必要がある? (ヨキッチと対戦するたびに)毎回、カモにしていた。今、(エンビードは)全盛期だし、対戦を避けたりしたら印象は悪くなる」

 実際、エンビードはヨキッチとの直接対決で6勝2敗とリード。個人スタッツでも得点(27.6/22.3)、リバウンド(11.3/10.1)、ブロック(2.0/1.1)、スティール(1.3/1.1)で相手を上回っている。
  一方で、エンビードは2019年11月8日以降、デンバーでプレーしていないというデータもある。ナゲッツで計7年間プレーした経験を持つ元NBA選手のケニョン・マーティンは標高1600mにあり、すぐに息が上がるデンバーという場所が欠場の要因だと冗談交じりに推測した。

「ニコラ(ヨキッチ)を避けているんじゃなくて、あの(デンバーの)標高を避けているんだ。口の中がカラカラになるか、水っぽくなるかのどちらかだ。口の中のことはコントロールできない。(現役時代の)ブルズ戦のことをよく覚えているけど、(相手センターの)エディ・カリーは“ゼーハーゼーハー”と息が上がって、今にも倒れそうだった。すごく厄介なんだ」
  1月30日のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦で復帰したエンビードだが、今季すでに12試合を欠場しており、今シーズンから適用されている団体交渉協約(CBA)により、あと6試合以上欠場すると2年連続MVPを含めた個人賞の道(最低65試合出場が条件として設定)が閉ざされる。

“ロード・マネジメント”(意図的に選手を休ませる方法)に対する取り締まりも厳しくなるなか、エンビードは残りのシーズンを通して健康を維持できるだろうか。

構成●ダンクシュート編集部

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