1月29日に発表された男子テニス世界ランキングのダブルス部門で、43歳のロハン・ボパンナ(インド)が初めてトップに立った。史上最年長1位の誕生だ。直近の全豪オープン男子ダブルス制覇も、史上最年長での四大大会優勝で、かつ初タイトルだった。カルロス・アルカラス(スペイン)やホルガー・ルネ(デンマーク)が生まれた頃からプロ生活を送る大ベテランがついに王座に辿り着いた。

 これまでの最年長記録は、世界ランキングで見るとあの最強ブラザーズのマイク・ブライアン(アメリカ)の41歳76日まで。四大大会優勝で見ると、2022年全仏オープンを制したジャン-ジュリアン・ロジェール(オランダ)の40歳284日だった。

 またシングルスに限ると、最年長の1位はロジャー・フェデラーの36歳320日までとなる(ちなみに日本の松井俊英は昨年9月にダブルスの自己最高位を45歳にして129位に更新)。ボパンナの全豪優勝と王座奪取は、これを大きく更新する偉業となった。

 頂点に立ったボパンナはこう語っている。

「世界1位になれたのは、根気強く取り組み、戦い続け、努力し続け、そばには素晴らしいパートナーがいてくれたおかげだと思う。テニスに限ったことではないと思う。世界中の40歳以上の人々にとって、これは1つのインスピレーションを与えることになるのでは」

 40歳を過ぎてからもみるみるランキングを上昇させてきたボパンナは、成功理由の一端を以前から明らかにしている。それはヨガだ。
  長年プレーを続けてきた彼のヒザの軟骨は酷使によりすり減り、もはや残っていない状態だという。そのためヒザへの負担が減るようプレースタイルも変えてきた。新型コロナウイルスが世界を襲い、テニスツアーが中断されたのはそんなタイミングだった。

 コートから離れたボパンナは、傷んだ身体を整えようとアイアンガーヨガ(身体の歪みを改善することに適し、世界中に広く浸透したスタイルのヨガ)に取り組む。すると、それまで何を試してもうまくいかず、鎮痛剤が欠かせなかったヒザの状態が良くなったという。効果はそれだけではなかったそうだ。

「ヨガは足や身体を強くしてくれただけでなく、コートでの集中力を高めてくれた。コートでは焦らずに明晰に考えることができる。それが大きな変化をもたらしたのだと思う」

 そうして肉体をリフレッシュさせた大ベテランは、23年からマシュー・エブデン(オーストラリア)と組む。すると3月のインディアンウェルズでは最年長でマスターズ優勝、夏の全米オープンでは最年長ファイナリストとなり、年末のATPファイナルズでも最年長勝利を記録。今回の全豪優勝はそれに続く活躍だった。ちなみに四大大会出場61回目での初優勝は、ラジーブ・ラム(アメリカ)の58回目を抜く、これまた最長記録である。

「何が自分たちに合っているのか、何が自分たちの強みなのか、どうすれば改善できるのかをお互いに学んできた」(エブデン)と言うペアの快進撃は、始まったばかりなのかもしれない。ボパンナの最年長記録の更新はまだまだ続きそうだ。

構成●スマッシュ編集部

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