現在ダラス・マーベリックスで指揮を執るジェイソン・キッドHC(ヘッドコーチ)は、現役時代に193㎝・95㎏のポイントガードとして、キャリア19シーズンでNBA歴代2位の通算1万2091アシストと2684スティール、同6位の107度のトリプルダブルをマークした。

 マブズでは約8シーズンプレーし、2008年にニュージャージー(現ブルックリン)ネッツから加入後はダーク・ノビツキーのサポート役を務め、2011年の球団初優勝にも大きく貢献した。

 キッドが共闘したノビツキーは213㎝・111㎏と長身ながらミッドレンジ、3ポイントラインからシュートを決めることができ、ペリメーターではシグネチャームーブのワンレッグフェイダウェイを駆使して点を積み重ね、“ビッグマンの概念を変えた男”としてリーグの歴史に名を刻んだ。

 NBA歴代2位タイのキャリア21シーズンをマブズ一筋でプレーしたドイツ出身のレジェンドは、球団史上唯一のシーズンMVP(2007年)とファイナルMVP(2011年)に輝き、NBAの75周年記念チームにも選出。昨年にはバスケットボール殿堂入りも果たしている。
  またノビツキーは、通算得点(31560)や試合数(1522)、出場時間(51368)、リバウンド(11489)、ブロック(1281)など、数多くの球団記録を保持し、マブズ史上最高の選手と評されてきた。

 現在マブズにはルカ・ドンチッチが在籍。キャリア6年目を迎えた今季、スロベニア出身の24歳はリーグ2位の平均34.7点に8.6リバウンド、9.6アシスト、1.4スティールと驚異的な数字を残している。

 2人のスーパースターを間近で見てきたキッドHCは、1月30日(日本時間31日、日付は以下同)にダラスのラジオ番組『The Downbeat』へ出演した際、ドンチッチはすでにノビツキーより上で、比較対象はマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)やレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)、コビー・ブライアント(元レイカーズ)になっていると話していた。

「彼はダークより上だ。彼には史上最高の選手、MJ(ジョーダン)やレブロン、コビーのような雰囲気がある。しかも、まだ24歳の若さなんだから感謝しないとね。ダラスにはこれまでいなかった。内心では『彼はダークを超えている』と言ってきた。ダークにはできないことをやってのけている。今はチャンピオンシップという究極のゴールを目指して彼の周囲に適切な選手たちを集めるチャンスなんだ」
  16歳で入団したレアル・マドリード(スペイン)時代から脚光を浴び、“神童”と評されてきたドンチッチは、2018年のNBA入り後も新人王を皮切りに、2年目から昨季まで4年連続でオールNBA1stチーム入りと、すでにリーグを代表する選手となっている。

 今季も1月26日のアトランタ・ホークス戦で歴代4位タイの73得点に10リバウンド、7アシスト、翌27日のサクラメント・キングス戦でも28得点、10リバウンド、17アシストのトリプルダブル、29日のオーランド・マジック戦では45得点、9リバウンド、15アシストと好スタッツを連発。平均得点とアシストは自己ベストの数字だ。
  キャリア平均28.35点は歴代3位、プレーオフではジョーダンに次いで歴代2位の平均32.54点と、磨き抜かれたスキルとシュート力、天性のパスセンスと広い視野を駆使して“ルカ・マジック”と呼ばれる超絶プレーを披露し続けている。

「この若者は24歳なんだ。これから先、すべての記録を塗り替えていくさ。そして彼は勝者であり、究極のゴールはチャンピオンシップを勝ち獲ることにある。いずれそこへ辿り着くだろう。しかも1回だけではない。キャリアを終えるまでに、複数回の優勝を手にしているだろう」(キッド)

 ドンチッチという最高の武器を擁し、キッドは自身2度目、HCでは初のリーグ制覇を目指す。

文●秋山裕之(フリーライター)

ドンチッチが73得点パフォーマンスを振り返り「これまででトップ」。キッドHCも「彼こそがゲームプラン」と絶賛<DUNKSHOOT>

アービングがドンチッチとの関係性について言及「僕たちは最高の相手と戦うのが大好き」<DUNKSHOOT>

両親が、恩師が、元同僚が語るルカ・ドンチッチ――スロベニアの“ワンダーボーイ”立志伝<DUNKSHOOT>