今月末に開幕する2024年F1世界選手権に向けて、各チームとドライバーは準備を進めているが、今季より「アルファタウリ」から名称を変更した「Visa Cash App RB(以下RB)」は、他にもあらゆる面を新しくて新シーズンに臨むため、最も注目されているチームのひとつだ。

 フランツ・トスト代表が昨季限りで退任し、体制も一新された中で、昨季終了時と同様となったのはドライバーの陣容だ。角田裕毅とダニエル・リカルドのコンビは2年目を迎え、今季のチーム内バトルはより熾烈なものとなっていくことが予想される。セルジオ・ペレスの出来次第では、レッドブルのシートを、リザーブドライバーのリアム・ローソンを含めた三つ巴で争う可能性もあるとされており、その動向が常に注目を集めるのは間違いない。

 F1でのキャリア3年目となった昨季は、安定したドライビングによってしばしば車のポテンシャル以上の結果をチームにもたらし、アップデートが奏功した終盤戦には大量ポイントを獲得してチームをコンストラクターズチャンピオンシップで最下位から脱出させた角田には、さらなる飛躍が期待される。
  その成長ぶりが高い評価を受けた日本人ドライバーだが、だからといってシートが安泰となったというわけではなく、スペイン・バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』はチームと1年契約の角田について「レッドブル・アカデミーの他の若手たちの台頭に対抗して現在のポジションを維持するために、彼はさらなる進歩を続ける必要がある。ホンダがレッドブルと2025年まで協力し続けることが、キャリア継続の好材料となるかもしれないが、一方で背後にはローソンといったタレントたちが力強く迫っている」と指摘する。

 まだ、その実力を証明する立場であることが多くのメディアによって強調されている角田だが、元F1ドライバーで2005年にはレッドブルを駆って好パフォーマンスを発揮し、ホンダのテストドライバーも務めたことがあるオーストリア人のクリスティアン・クリエンは、レッドブルが所有する自国の放送局『Servus TV』で、この23歳のここまでのキャリアに賛辞を贈り、今後に期待を寄せている。

「ユウキは最初の2年間、多くのミスを犯した。彼には短気なところがあり、少し落ち着く必要があった。それは、初期のマックス・フェルスタッペンにも見られたことと同じだ。ユウキは昨年、良いシーズンを過ごし、安定感と熟練度を身につけた。無線のやりとりでも、冷静になったことが分かる。あるいは、FIAが全てを見せていないだけなのかもしれないが(笑)。いずれにせよ、彼は優れたドライバーに成長し、良い結果を出せるようになった」 トロロッソ時代から数えて、チームの所属期間が歴代最長となる角田が、チーム内でその価値を高めるだけでなく、対外的にもその存在感を強く示すことができるか要注目だ。ちなみに、オーストラリアのモータースポーツ専門サイト『speedcafe.』が、2024年の全ドライバーの年俸(スポンサー収入等は除く)を以下の通りに発表したが、角田は今回も最低額となっている。

◇5500万ドル(約80億円)
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
ルイス・ハミルトン(メルセデス)
◇3000万ドル(約44億円)
シャルル・ルクレール(フェラーリ)
◇2500万ドル(約36億5000万円)
ランド・ノリス(マクラーレン)
◇1300万ドル(約19億円)
ジョージ・ラッセル(メルセデス)
◇1000万ドル(約14億6000万円)
セルジオ・ペレス(レッドブル)
カルロス・サインツ(フェラーリ)
ヴァルテリ・ボッタス(ザウバー)
◇600万ドル(約8億8000万円)
エステバン・オコン(アルピーヌ)
◇500万ドル(約7億3000万円)
フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
ケビン・マグヌッセン(ハース)
◇300万ドル(約4億4000万円)
アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
◇200万ドル(約3億円)
ランス・ストロール(アストンマーティン)
ニコ・ヒュルケンベルク(ハース)
ダニエル・リカルド(RB)
ジョウ・グァンユ(ザウバー)
◇100万ドル(約1億5000万円)
角田裕毅(RB)
ローガン・サージェント(ウィリアムズ)
  絶対王者フェルスタッペン、今季限りのメルセデス離脱とともにフェラーリ行きが確実視されているハミルトンがトップで並び、上位勢がこれに続くこの長者番付ランキングでも、角田がキャリアを積み重ね続けながら(もちろん成績も高めながら)、徐々に順位を上げていけるかが興味深いところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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