2019−20シーズンを最後にプレーオフから遠ざかっているインディアナ・ペイサーズは今季、オールスターガードのタイリース・ハリバートンを中心とした超攻撃的バスケットボールで白星を積み上げてきた。

 現地時間1月17日にはトロント・ラプターズとのトレードでパスカル・シアカムを獲得。29歳のオールスターフォワードは、ペイサーズ加入後の9試合で平均21.2点、7.2リバウンド、4.8アシストにフィールドゴール成功率56.3%の好成績を残している。

 もっとも、その9試合でチームは3勝6敗と負け越しており、現在は3連敗中。2月3日時点でイースタン・カンファレンス6位の27勝23敗(勝率54.0%)とプレーオフ出場圏内にいるとはいえ、7位のマイアミ・ヒート、8位のオーランド・マジック(いずれも26勝23敗/同53.1%)とは0.5ゲーム差しかない。

 そんなペイサーズが好転するカギを握るのは、ハリバートンのコンディションだろう。

 今季平均22.8点、4.1リバウンドにリーグトップの12.0アシストを誇る司令塔は、1月8日のボストン・セルティックス戦で左ハムストリングを負傷。その後11試合のうち10試合を欠場し、30日のセルティックス戦で待望のカムバック。ただ、復帰戦こそ13得点、10アシストのダブルダブルをマークするも、続く2戦は15得点&5アシスト、14得点&1アシストに終わり、チームも勝てずにいるというのが現状だ。
  特に2月2日のサクラメント・キングス戦ではペイサーズ加入後としては初のベンチスタートを経験。試合後、リック・カーライルHC(ヘッドコーチ)はハリバートンと話し合った末の采配だと明かした。

「これは昨夜、彼と話し合ったことなんだ。当然、簡単なことではない。理想は彼のプレータイムが増えていくなかでチームが前へと進んでいくこと。だが選手の健康面は最優先すべきものなんだ」

 ハムストリングの負傷は長引くと数か月間の離脱を余儀なくされるため、慎重にならざるを得ない。特にハリバートンはこれまでにも同箇所を痛めた過去があり、チームの判断も当然と言えば当然だ。

 そんななか、ハリバートンはチームを勝たせられていない現状に、苦しい胸の内を明かしている。

「このことにみんながイライラしているのはわかっている。ただ、この僕が一番フラストレーションを抱えているんだとわかってほしい。復帰するために一生懸命やってきた。だからこそ、今の状況は最悪さ」

 ハリバートンが欠場した13試合でチームは7勝6敗と勝ち越してはいるものの、これからプレーオフ争いはさらに激化してくる。ペイサーズとしてはその時期にトップスコアラー兼プレーメーカーを長期間欠くことは絶対に回避したいだけに、今はチームとハリバートンの双方にとって、辛抱する時期なのだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)