ドイツテニス界のレジェンドで元世界1位のボリス・ベッカー氏(56歳)が2月7日に自身の公式X(@TheBorisBecker)を更新。昨年10月下旬にコーチ契約を結んだホルガー・ルネ(デンマーク/世界7位)との師弟関係をわずか3カ月半で解消すると発表した。

 現在20歳のルネは苦戦が続いていた23年シーズン終盤に、約14年苦楽を共にした同郷のラース・クリステンセン氏(60歳)と別れを告げ、新たにベッカー氏とタッグを結成。年末にはロジャー・フェデラー(スイス/元1位)を長年指導したセベリン・リュティ氏(スイス/48歳)も招聘した。最強の布陣で迎えた新シーズン初戦の「ブリスベン国際」(ATP250)では決勝に進むなど、復調の兆しを見せつつあった。

 ところが2回戦で敗退した先の全豪オープン(四大大会)終了後にルネはリュティ氏との関係を突如解消し、直後にはジュニア時代から自身を知る元世界41位のケネス・カールセン氏(デンマーク/50歳)がコーチに就任。間を置かず今度はベッカー氏とも離別するという、まさかの急展開となった。

 このほど更新したXでベッカー氏は「私はルネのコーチを辞任することをお伝えする」と報告。契約終了に至った経緯を次のように説明した。

「当初我々は昨年末のATPファイナルズに出場するという目標の下、このパートナーシップを開始した。だが前に進みながらこのタッグを成功させるには、私の想像を超えるサポートを彼に提供しなければならないことに気付いた。私には仕事上および私的な責任もあり、ホルガーに必要なものを与えることができない」
  そして最後には「私は彼の幸運を祈っているし、これからも彼の一番のファンであり続ける。この旅を一緒にできたことに本当に感謝している」とルネへの謝意を綴り、全文を締めくくった。

 一方、ルネは先日新たに契約を結んだ米フロリダの「IMGアカデミー」を通じて、デンマークのメディアに声明を発表。チーム編成が目まぐるしく変化している現状について、こうコメントした。

「僕はこの12カ月間、様々なコーチを試してきた。僕はキャリアを通じて15年間同じコーチと共に仕事をしてきたが、最初の試みで完璧なコーチを見つけるのは簡単ではない。僕は多くのことを学びながら、自分が望む成長を遂げるために何が重要かを見出した。

 僕には大きな野心と目標がある。同じビジョンを持ち、目標達成に向けて信頼できる人、さらには僕のことをよく知っていて常にそばにいてくれる人が必要だ。状況が毎週変化する中、そういう人物こそが僕に安心感と喜びを与えてくれる。ラース、ボリス、セベリン。このプロセスに関わってくれた全ての人に愛と感謝の言葉を伝えたい」

 ちなみに先述のリュティ氏との関係解消について、ルネの母親でマネージャーのアネケ・ルネ氏はデンマークの『TV2』のインタビューで「息子が欲する継続性をセベリンがカバーできるのは、よくて数週間ほどだと感じた」と理由を説明していた。ベッカー氏との契約終了もそれが原因となったのかもしれない。今後のルネの動向が気になるところだ。

文●中村光佑

【画像】ルネとの決別を綴ったベッカーのX画面

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