現地時間2月8日、F1の「ビザ・キャッシュアップRB(以下VCARB)」は、2024年の新型マシン「VCARB01」を発表。ラスベガスでの盛大なお披露目には、ピーター・バイエルCEOやローラン・メキーズ代表らチーム首脳の他、角田裕毅、ダニエル・リカルドの両ドライバー、そしてHRCの渡辺康治社長、さらにF1のステーファノ・ドメニカリCEOも出席した。

【画像】2023年シーズン、F1各チームのマシンをチェック 数々の賞を受賞しているアメリカのラッパーで、音楽プロデューサーでもあるケンドリック・ラマーらエンターテインメント界からも大物が登場するなど、華やかな雰囲気の中で登場したVCARB01は、かつての「トロロッソ」時代を彷彿とさせるメタリックの鮮やかなデザイン(まさにレッドブルの缶!)で、サスペンションは姉妹チームのレッドブル同様、プルロッドが採用されている。

 アパレルブランド「HUGO」との提携も発表され、新時代の幕開けを印象づけたイタリア籍のチームは、その長い名称が話題となっているが、バイエルCEOは「我々は『ブル』とRBを取り戻したかった」として、「レーシングブルズ」ではなく、「レッドブル」の略称であることを明らかにし、この点からも今季から姉妹チームとの連係をより強めることを強調した。

 具体的には、イタリア・ファエンツァを本拠地としながらも、空力面の開発拠点であるイギリスではこれまでのビスターのファクトリーに加え、レッドブルの本拠地ミルトンキーンズでもVCARBのスタッフが活動することになる。もちろん、技術面でも連係は強まり、VCARB01は昨季の「AT04」の進化系ではあるものの、規定の範囲内で可能な限りレッドブルのチャンピオンマシン「RB19」から多くのパーツを使用することを、メキーズ代表は明言している。

 彼は、今季の展望として序盤はまだ厳しい状態が続くとしているが、昨季終盤にアップデートが奏功したアルファタウリは、角田、リカルドが大量ポイントを獲得してコンストラクターズチャンピオンシップで最下位を抜け出し、7位ウィリアムズにも肉迫しただけに、新シーズンでの飛躍を予想する声は少なくなく、ドライバーも期待を寄せている。
  リカルドは、F1公式サイト『F1.com』に対し、「チームは常に真剣に取り組み、これでまた一歩前進したと感じている。もはや、レッドブルにとっての単なるプラットフォームではなく、我々が中団争いの先頭で戦う時が来た。起こったこと、起こった変化全てが気に入っている。チームには何か良い変化があり、雰囲気や考え方も以前とは少し違ってきている。とてもクールだし、楽しい」と、内も外も装いを変えたチームへの好印象を明かした。
  一方、角田はSNSで、ここまでのチームの尽力に賛辞を贈るとともに、「車もスーツも素晴らしく見える!」と、こちらもポジティブな反応を示しているが、発表会ではチームについて「チームはエキサイティングな新たな段階にあり、多くのことが変化しています。メキーズ代表も、バイエルCEOもVCARBに対して大きな計画を持っており、それを嬉しく思っています」と語り、さらに以下のように続けている(オランダのモータースポーツ専門サイト『RaceXpress』より)。

「チームはこれから、大幅に強化されようとしています。アラン・パーマネがアルピーヌから、エンジニアのティム・ゴスは夏(正式には10月)にやって来ますが、彼らは豊富な経験を持ち、我々にとっては助けとなること以外に何もありません。アランはルノーで優勝経験があり、勝利のメンタリティーをもたらしてくれるのも、素晴らしいことです。僕としては、この新鮮な空気の息吹が好きです。2024年には、ドライバーとしてさらに成長した姿を見せたいと思うし、トップ10以上を目指します。今季は前進できると確信しています」

「VCARBはこれまでよりも、密接にレッドブルと協力するでしょう。それは良いニュースです。レッドブルは過去数年間、レースを支配しており、我々は規則の範囲内でその経験を活かすための全ての機会を利用します。我々は過去数年間の結果に満足していません。特に昨季前半には多くの困難がありました。今は、より良い結果を出せることを示したいと思っています。2021年にチームは6位になりましたが、中位に戻りたいと思っています」

 このように意気込みを語る一方で、彼は「我々は野心的ですが、同時に現実的でなければなりません」とも指摘しており、自身については「体力的にも精神的にも、以前よりも良い状態でシーズンに備えています。今季は継続してポイントを獲得し、コクピットではもう少し冷静になりたいと思っています。昨季、僕は『ポイントを獲得したら、レース後の夜はネグローニ(カクテル)を楽しもう』と言っていましたが、2024年は毎週末にそうなることを目指します」と目標を設定した。
  過去3年間、フランツ・トストの下で紆余曲折を経ながらも、成長を遂げてきた日本人ドライバーに対し、新たなチーム代表は「ユウキには非常に感銘を受けている。彼は、毎月、毎シーズン、信じられないほどの速さを証明してきた。多くのチームメイトを迎え、その速さは常に高まっていった」と称賛している。
  また、「それをチームと組み合わせれば、非常に強力なパッケージが出来上がる。彼は一生懸命に働く人間であり、ファエンツァに住み、ファクトリーにも頻繁に足を運んでいる。彼は信じられないほどのナチュラルな速さを持っており、お互いに刺激し合えるという観点から、ダニエルとの組み合わせは非常に強力である」と、チームへの影響力や貢献度という点でも、メキーズ代表は角田に高い期待を寄せているようだ。

 VCARBは2月12日にミサノ・サーキットでフィルミングデーを利用してシェイクダウンを実施し、21日から3日間バーレーンで行なわれるプレシーズンテストを経て、29日(開幕戦バーレーン・グランプリ初日)に新シーズンに突入する。

構成●THE DIGEST編集部

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