2月8日(日本時間9日、日付は以下同)のトレード期限最終日、フィラデルフィア・セブンティシクサーズは4つのトレードを断行し、ロスター整備を行なった。

 パトリック・ベバリーをミルウォーキー・バックス、ジェイデン・スプリンガーをボストン・セルティックス、ダヌエル・ハウスJr.をデトロイト・ピストンズへ放出。そして3チーム間トレードでマーカス・モリスSr.とフルカン・コルクマズも手放し、バディ・ヒールドとキャメロン・ペイン、複数のドラフト指名権を獲得した。

 チームは翌9日、アトランタ・ホークスに121−127で敗れたものの、ヒールドとペインは新天地デビュー戦で揃って20得点、6アシストの好発進。同日の会見で、バスケットボール運営部代表のダリル・モーリーはヒールドについて次のように語った。

「我々はデッドラインに成立したトレードでベストプレーヤーを獲得したと感じている。彼ならこのチームが求めていたものを確実にもたらしてくれるだろう。彼はNBA史上最高の3ポイントシューターの1人だからね。健康体となった我々のグループに彼を加えたこと、プレーオフのローテーションにバディ・ヒールドを組めることをものすごく気に入っている」
  シクサーズは10日にワシントン・ウィザーズを119−113で下して連敗を4でストップ。タイリース・マキシーがゲームハイの28得点に9リバウンド、7アシスト、4本の長距離砲を沈めたヒールドが23得点に5リバウンド、6アシスト、4スティール、ケリー・ウーブレイJr.が16得点、7リバウンド、4アシスト、ペインもベンチから6得点、6アシストの活躍を見せた。

 さらにチームはこの日、シャーロット・ホーネッツからバイアウトされたベテランガードのカイル・ラウリーとの契約に合意した。

 高校までペンシルベニア州フィラデルフィアで過ごした37歳のラウリーにとって、シクサーズは故郷のチーム。今季から指揮を執るニック・ナースHC(ヘッドコーチ)はトロント・ラプターズ時代に共闘しており、2019年には優勝を経験している。

 キャリア18年目の今季は、マイアミ・ヒートで37試合に出場して平均8.2点、3.5リバウンド、4.0アシスト、1.05スティールを記録。ただ、ホーネッツでは1試合も出場せず、1月21日を最後に公式戦から遠ざかっている。

 とはいえ、130試合のプレーオフ経験を誇る男は攻守両面で計算でき、ハードワークも厭わないだけに、シクサーズへポジティブな要素をもたらすはずだ。 シクサーズは現在イースタン・カンファレンス5位(31勝21敗/勝率59.6%)につけているが、チームが“完全体”になるにはジョエル・エンビードの復活が必須。昨季のMVPは2月6日に左ヒザ外側半月板の手術を行ない、4週間後の再検査が予定されている。

「手術をすると聞いた当初と比べれば、より良いフィードバックを受けている。だからこそ、我々は今年に入ってさらにいいチームを構築している。確かに、100%ではないが、ジョエルはMVPレベルでプレーしていると感じていた。彼がその状態で戻ってきてくれることを願っている」とモーリー。
  エンビードの今季中の復帰についてもモーリーは「非常に期待を寄せている」と話していた。ヒールドやラウリーがチームへ馴染み、エースが万全の状態でコートに戻ることができれば、シクサーズは有力な優勝候補になるに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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