2月12日(日本時間13日、日付は以下同)、サンアントニオ・スパーズは敵地スコシアバンク・アリーナでトロント・ラプターズを122−99で下し、1月末から続いていた連敗を7でストップした。

 今季アウェーで6勝目を手にしたスパーズは、デビン・ヴァッセルが25得点、6アシスト、ジェレミー・ソーハンが16得点、6リバウンド、2ブロック、トレ・ジョーンズが7リバウンド、10アシストの活躍を見せたが、勝利の立役者は昨年のドラ1ヴィクター・ウェンバンヤマだった。

 20歳の大物ルーキーは30分以下(28分59秒)の出場ながら、ゲームハイとなる27得点、14リバウンド、10ブロックに5アシスト、2スティールの大暴れ。1月10日のデトロイト・ピストンズ戦(16得点、12リバウンド、10アシスト)に続いて自身2度目のトリプルダブルを達成するとともに、今季リーグベストの10ブロックもお見舞いしてみせた。

 スパーズは8日のトレード・デッドラインにチーム唯一の30代であるダグ・マクダーモット(32歳)をインディアナ・ペイサーズへ放出し、フィラデルフィア・セブンティシクサーズからベテランのマーカス・モリスSr.(34歳)を獲得。ただ、モリスSr.は放出の可能性が高く、ロスターに30代の選手はゼロになる。

 チームを率いるのは就任28年目の名将グレッグ・ポポビッチだが、5度の優勝を誇る名門が低迷脱却を図るためには、ベテラン陣の存在が必須だ。
 「そうだね。これは間違いなくチャレンジになっている。僕らは若いチームだから、手本を示してくれるベテランがいないと難しい時もあるんだ」とウェンバンヤマは語る。

 そんな若手軍団で“ベテラン”として存在感を放っているのは、スペシャルアドバイザーを務めるマヌ・ジノビリと、今季序盤にバスケットボール運営部のスタッフとなったゴーギー・ジェン。

 ジノビリは16年間のNBAキャリアをスパーズ一筋で過ごし、4度の優勝を勝ち獲ったスキルに秀でたガード。NBAで10年間プレーしたセンターのジェンは、スパーズに2シーズン在籍し、現在は裏方として選手たちを支えている。

「あの2人はロードで常に帯同しているわけじゃない。けどホームではシュートアラウンド、練習で毎回顔を出してくれる。彼らはいろんなことを経験してきているから、本当に貴重なんだ。今の自分たちに必要な指導だと思う」(ウェンバンヤマ)

 今季も厳しい戦いを強いられているスパーズだが、ウェンバンヤマという異色の存在が、球団の未来を明るいものにしていることは間違いない。シーズン後半戦もジノビリとジェンから多くを学び、一度しかないルーキーシーズンを戦い抜いてほしい限りだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

「彼は素晴らしい。すべて揃っている」エンビードが大型新人ウェンバンヤマを高評価「ものすごい才能を秘めている」<DUNKSHOOT>

ウェンバンヤマ中心の再建に「デッドラインはない」。スパーズのオーナーが語る名門復活への青写真<DUNKSHOOT>

30万円のチケットも即完売したパリゲームズ。来年は“フランスの至宝”ウェンバンヤマ凱旋で未曽有のNBAフィーバーに?<DUNKSHOOT>