テニスの不正行為を監視する第三者機関「ITIA」は現地2月15日、アメリカのジェンソン・ブルックスビーとの間で、資格停止処分が18カ月から13カ月に短縮されることで合意に達したことを明らかにした。

 2022年に自己最高となる世界ランキング33位をマークしているアメリカ期待の若手ブルックスビー(現23歳)は、アスリートに義務付けられている「12カ月間に3回受けなければならないアンチ・ドーピング検査」を怠ったとして、独立法廷から昨年10月に18カ月に及ぶ資格停止処分を言い渡されていた。これはアスリートが検査を欠席した場合、たとえ禁止薬物の陽性反応が示されなくても罰せられるという規則があるためだ。

 ただ、手首のケガにより23年3月に左腕、同5月に右腕を手術して戦線を離脱しているブルックスビーは「手術以降の3回も含めて、今まで何度もドーピング検査は受けてきた」と無実を主張。一方的ともいえるITIA側の決定に対してブルックスビーは、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴した。
  今回の処分軽減はブルックスビー側が提訴する際に提出した「検査の欠席を引き起こした状況に関する新たな証拠」を受けてのもの。資料を精査したITIAは、ブルックスビーに対する過失の程度を再評価する必要があると判断。そして検査を受けられなかった3件のうち、2件についてはブルックスビーの正当性を認め、残る1件に関してのみブルックスビーの過失が高かったと認定したのである。

 ITIAの声明によると「再評価の結果、ITIA、WADA(世界ドーピング防止機構)、および選手の代理人は、ブルックスビー選手のアンチ・ドーピング規則違反に対する過失は、独立法廷が以前に認定したほど重くはなく、13カ月の制裁が適切と合意した」としている。

 ブルックスビーへの処分は23年2月4日に予定されていた検査を対象とするため、処分が同日から始まったとみなされ、13カ月目となる24年3月3日に出場資格停止が解除されるとした。そしてこのITIAの決定を受けて、ブルックスビー側もCASへの上訴を取り下げた。

 あと2週間ほどで再びツアーに戻れることになったブルックスビーは「好きなことに戻れることに大きな喜びと安堵を感じている。この13カ月はとても疲れ果てたもので、こんな悪夢は誰も望んでいない」とSNSを通じて自身の気持ちを綴っている。

構成●スマッシュ編集部

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