今季、ハイレベルなウエスタン・カンファレンスで2位と好調のオクラホマシティ・サンダー。そのチームを攻守両面で支えているのが、期待のルーキー、チェット・ホルムグレンだ。

 ここまで全54試合に出場して、平均16.7点、7.6リバウンド、2.7アシスト、2.65ブロックと前評判通りの活躍を披露。2022年のドラフトで全体2位指名を受けながら、デビュー前に右足を負傷して1年目を全休するという不運に見舞われたが、今季は水を得た魚のごとき躍動ぶりで、23年のドラ1、ヴィクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)と新人王を争っている。

 全ルーキーの中で、得点とブロックはウェンバンヤマに次ぐ2位の数字を叩き出しているが、そこにはサンダーOBであるケビン・デュラントの助力があったと、オールスターのライジングスターズに出場したホルムグレンは明かしている。

 昨夏、ケガから回復してデビューの準備を進めていたホルムグレンは、デュラントがかつてのシューティングコーチであるアダム・ハリントンと主催したサマーキャンプに参加した。

 ハリントンは2002年にダラス・マーベリックスでデビューしたあと、中国やスペイン、ドイツ、フランスなどを渡り歩き、現役引退後はサンダーやブルックリン・ネッツでコーチを歴任。サンダー時代にシューティングを指導し、ネッツで再会を果たしたデュラントとともに、夏に若手選手を招いてシューティングクリニックを開催している。
  そこでホルムグレンが“KD”のアドバイスとともに重点的に取り組んだのが、シューティングの際のフットワークだった。とりわけシュート前の軸足の使い方を徹底的にトレーニングしたという。

「シューティングで一番重要なことのひとつが、バランスと基本姿勢だ。その点について重点的にトレーニングできたのは本当に役立った。1年間も実戦から離れていたことで、シュートに対する感覚を失っていて、サマーリーグでは3ポイントも8本打って1本くらいしか入らなかった(実際は11本打って1本)。打っても入らないから、シュートを打つことすらやめてしまっていたんだ」

 学生時代から安定した得点力とリバウンドのコンビネーションを武器としていた彼にとっては、厳しい現実だったに違いない。

「だから、夏はその点に集中して、以前のシュートレベルを取り戻し、さらにそれを向上させることに徹底的に取り組んだ。オクラホマに戻ってからも、ずっとシュート練習を続けてきた」

 その成果はさっそく現れ、開幕直後から順調に得点を重ねると、11月のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦の36得点を最高に、ホルムグレンは47試合で2桁得点をマーク。フィールドゴール成功率53.5%、3ポイントは39.3%という高い数字を記録している。

「素晴らしいトレーニングをさせてくれたアダム、ケブ(デュラント)、そしてスタッフたちに心から感謝している」

 球宴のライジングスターズでは、ジェイレン・ローズが率いる「チーム・ジェイレン」の一員として、見事優勝を果たしたホルムグレン。サンダーの大先輩から授けられたシューティングを武器に、後半戦ではますます活躍する姿が見られそうだ。

文●小川由紀子

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