男子テニスツアー「カタール・エクソンモービル・オープン」(2月19日〜24日/カタール・ドーハ/ハードコート/ATP250)は現地24日にシングルス決勝が行なわれ、怒涛の快進撃を続けてきた18歳のヤクブ・メンシク(チェコ/世界ランキング116位)は第2シードのカレン・ハチャノフ(ロシア/同17位)に6-7(12)、4-6で敗れ、惜しくもツアー初優勝を逃した。

 まだプロ転向2年目のメンシクが今大会の参戦に活用したのが、今年からATPツアーで新たに採用されている「次世代促進プログラム(Next Gen Accelerator Program)」だ。これは同一週にツアー大会が3つ以上開催されている場合に限り、20歳以下で世界350位以内の選手にはチャレンジャー100もしくは125(下部大会)の出場権を最大8回付与。また20歳以下で250位以内の選手には、同チャレンジャーに加えATP250大会の本戦1回および予選2回の出場権も与えられるというものだ。

 昨シーズンにチャレンジャー初優勝を飾り、予選を勝ち抜いて四大大会本戦初出場を果たした9月の全米オープンでは3回戦に進出したメンシク。初めて名前を聞いたファンも多いかもしれないが、同じく予選を突破した先月の全豪オープンでも元トップ10のデニス・シャポバロフ(カナダ)を破って2回戦まで進み、成長著しい期待の若手として注目を集めている。

 今大会での活躍は凄まじかった。初戦からアレハンドロ・ダビドビッチフォキナ(スペイン/24位)、アンディ・マリー(イギリス/元1位/現50位)、アンドレイ・ルブレフ(ロシア/5位)ら格上選手を立て続けに破ると、準決勝でも元世界6位のガエル・モンフィス(フランス/現68位)にフルセットで勝利。18歳とは思えないプレーで初のツアー決勝へと駒を進めていた。
  決勝でもメンシクは元世界8位のハチャノフを相手に真っ向勝負。サービスゲームではポイントを先行される場面が目立つも、物怖じせずにピンチをことごとく切り抜けていく。

 第1セットは互いに譲らずタイブレークへと突入。先にミニブレークを許したメンシクだったが、そこから5連続ポイントを奪ってリードを広げる。しかしハチャノフの猛反撃に遭い、タイブレーク終盤はセットポイントが行き来する激しい展開に。結局メンシクは4本のセットポイントを取り損ね、1時間を超える接戦の末にセットを落とした。

 疲れからか第2セットではやや動きのキレが落ちたメンシク。第1ゲームでいきなりブレークを喫すと、以降もハチャノフを崩せず、悲願のツアー初優勝は次回以降にお預けとなった。

 それでも18歳の若武者は表彰式で、質の高いプレーができた今大会を前向きに振り返った。「今週は僕にとって忘れられない週になるのは間違いない。そもそも今のランキングではこの大会に出場できなかった。新プログラムを使用する必要があったから、コート上で全ての瞬間を楽しもうと努めた。まさか決勝に進めるとは予想していなかった。自分のパフォーマンスには満足している。今日は厳しい結果になったから悲しさと幸せな気持ちがあるが、素晴らしい試合だった」

 この結果メンシクは大会後に更新される世界ランキングで自身初のトップ100入りが確定。一方勝ったハチャノフは今季初優勝、ツアー通算6勝目を手にした。

文●中村光佑

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