F1開幕戦のバーレーン・グランプリは3月2日に決勝が行なわれ、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は、11番グリッドから14位という結果に終わっている。

【動画】2024年F1開幕戦バーレーンGPハイライト スタートでポイント圏内の10番手となり、さらに順位を上げようとした角田だったが、ハードタイヤへの2度の交換の後はペースが上がらず、終盤にはケビン・マグヌッセン(ハース)の背後につけながらも攻めあぐねる中、ソフトタイヤに履き替えたチームメイトのダニエル・リカルドが迫ったことで、チームから順位を入れ替える指示を受ける羽目となり、目標とした入賞を果たすことはできなかった。

 レース翌日に自身のSNSに「昨日はタフな1日でした。レースの前半は楽しめました。この週末のポジティブな部分を全て活かして、サウジアラビア(第2戦)ではより良く戦いたいと思います」(英語)「ポイント争いしてただけに悔しいです。ポジティブなところはあるのでそれを活かしてサウジ頑張ります」(日本語)と投稿した角田は、チームの公式サイトには以下のようにコメントを残している。

「レースの半分ほどまでは、ポイントを獲得するためにかなり上手くやれていたと思いますが、その後はレースが上手くいかないと感じました。その頃にはもうポイントを争っていなかったので、レース後の分析で全てを振り返り、今後のために確認する必要があります」

「まだ最初のレースであり、理解するための時間はたくさんあります。この週末からは、学ぶことがたくさんあります。メカニックたちは全てのピットストップで素晴らしい仕事をしてくれたので、戦略面で改善できる点があれば、サウジでのレースに向けてそれを活かしたいと思います」

 RBのテクニカルディレクターであるジョディ・エッギントンは、「様々な面でフラストレーションの溜まるレースだった。(中略)ユウキの車のバランスは良く、レースの最初の段階ではペースもかなり良かった。中団グループで上手く走り、タイヤの管理もかなり良かったが、最後のピットストップ後に幾つかポジションを失い、これを取り戻すことはできず、10位を争うチャンスを逃した」と角田のレースを振り返るとともに、開幕戦を以下のように総括した。

「この週末は安定しており、パッケージとして中団争いではかなり良いパフォーマンスを発揮したが、今夜のレースでは全てを引き出すことができなかったという点で、我々はバーレーンにおいては失望している。次週のサウジでのレースまでにやるべき仕事はたくさんあるが、同時に、次戦がすぐに開催されるということで、ここからの学びを素早く反映し、適用するチャンスだとも言える」 また、チーム代表のローラン・メキーズは、「レースの序盤ではユウキが素晴らしい仕事をして10番手まで順位を上げたことで良い可能性を感じたが、レースが進むにつれてポジションを失い、終盤は競争相手を抜くのに苦労した。最終スティントでダニエルが新しいソフトタイヤに履き替えたことで、マグヌッセンとジョウ・グァンユ(ザウバー)を抜くチャンスを得るためにユウキと順位を入れ替えたが、結局それは十分ではなかった」と、RBとしての初戦について声明を発している。
  チーム代表は、「否定的な要素よりもポジティブな要素が多い」とこの週末を表現したが、各国メディアの見方は違うようだ。英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は「バーレーンGPの勝者と敗者」という記事において、この新生チームを「敗者」に選定して酷評した。

「RBの厳しい開幕戦は、悲惨な一撃だった。RBの両ドライバーはポイントを獲得する上で相手にとっての脅威とはならなかった。そして終盤には、乱雑なチームオーダーの論争に妨げられることに。角田がリカルドを先行させるよう指示されると、明らかな不快感を表わして皮肉を口にした。スワップの目的は、リカルドがマグヌッセンを攻撃できるようにするためだったが、それは上手くいかなかった」

「代わりに角田は、レース後のクールダウンラップで、リカルドに対してターン8でダイブボムを敢行し、チームメイトから『なんてことだ……俺は我慢するよ……彼はくそったれだ』という怒りの反応を引き起こした。これらは、レッドブルのセカンドチームに対するシーズン前の高い期待とは程遠いものだった。先頭チームに追いつく兆候はなく、代わりに忘れたい乱雑なレースとなった」

 また、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は、「リカルドと角田は『リトル・レッドブル』として、F1サーカスを驚かせる準備をしていた。しかし、RB19(レッドブルの昨季の車)のクローンは、現時点では醜い“模倣”であり、2人のドライバーは13位という低い順位を争って滑稽な小競り合いを起こすことで注目された」と、悪い意味で目立ったとしている。

 プレシーズンテスト以降は高い期待を受けていたRBが、それらを下回る結果に終わったことについて、リカルドは「誰もが信じていたが、我々はそうではなかった」「このレースでは、より良い結果を得られた可能性はあるものの、まだトップ5と同等のレベルには達していない」「しかし特定の領域では、まだ進歩できるという自信がある」と、想定の範囲内にあり、チームが改善の途中にあることを強調し、角田は「後半の失速やパフォーマンス低下について、何が起こったか明らかにする必要がある」と指摘した。

構成●THE DIGEST編集部

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