絶対女王であるがゆえの過酷な争いだ。卓球中国女子代表のパリ五輪出場を巡る選考レースが苛烈を極めている。

 3月17日まで開催されていた「シンガポール・スマッシュ」の女子シングルスは中国勢がベスト4を独占。決勝では王曼昱が王芸迪を4−1で下して見事優勝を飾った。
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 その試合前、物議を醸したのが中国代表のヘッドコーチである李隼氏の発言だ。同コーチが報道陣に明かしたのは、王芸迪に対する事実上の“落選通告”。パリ五輪に各国代表が送り出せるのは個人戦が2名、団体戦が3名である。日本はすでに選考レースを終えているが、中国はまだその真っ只中。2023年5月8日から2024年5月7日までの1年間に開催された国際大会での結果が対象で、最終的に今年5月7日時点での世界ランキングのポイントに加算され、その合計値で争われる。

 しかし、李隼氏によるとチームスタッフの間で新たな指針が示されたという。その期間中の「重要な国際大会における国外選手との対戦成績」が重視されることになったのだ。

 2月に韓国の釜山で開催された世界選手権・団体戦で中国女子は堂々6連覇を達成したが、決勝では日本を相手にゲームカウント3−2と瀬戸際まで追い詰められた。とりわけ第3試合で平野美宇に0−3のストレート負けを喫した王芸迪が槍玉に挙げられ、「なぜ日本人に弱い王芸迪を使ったのか」「王曼昱を選ぶべきだった!」など馬琳監督への批判が殺到した。

 決勝戦の開催時点で王芸迪は世界ランキング2位で、中国が独自に定めたルールによって馬琳監督は「世界上位3名」を選んだわけだが、よもやの大苦戦に世論が黙っていなかったのだ。

 そうした流れを受けて、「シンガポール・スマッシュ」の決勝前に李隼コーチは「王芸迪は大事な大会で外国人選手に何度も敗れている。オリンピックを目前に控えるなか、看過できない状況だ。コーチ陣で議論した結果、王芸迪をオリンピックの代表選考にとどめるのは不適切だと判断した」と説明。すぐさま本人にも理由とともに伝え、王芸迪は納得したという。
  かなり非情な通告だが、それだけ中国卓球界が日本女子代表への警戒を強めているとも言える。スポーツメディア『新浪体育』は「パリ五輪で中国女子代表が金メダルを獲得するためには、どうしても日本を意識せざるをえない」と記し、次のように選考レースを予測する。

「王芸迪は2023年だけでも日本人選手に5度も敗れて、世界卓球団体戦では平野にも完敗を喫した。代表コーチ陣が懸念を抱くのは当然で、実際に世界ランキングも大会後に4位へ下落しており、落選の決断は致し方ないところだ。もはや孫穎莎(世界ランキング1位)はダントツの結果と信頼性で文句なし。あとはシングルスの1枠を陳夢(同2位)、と王曼昱(同3位)が激しく争うだろうが、シンガポール大会の優勝によっていよいよ来週には王曼昱が世界2位に浮上する。このまま陳夢を突き放しそうな勢いだ」

 さらに同メディアは「4番目の補欠選手についても、王芸迪に芽はないのではないか」と指摘。「こちらも万が一に備えて、日本人選手と対峙できる陳幸同(同6位)で問題ない。よって個人戦は孫穎莎と王曼昱、団体戦は孫穎莎、王曼昱、陳夢の3人で補欠が陳幸同、混合ダブルスは孫穎莎と王楚琴のコンビとなるだろう」と見立てた。

 次なる国際大会は「WTTチャンピオンズ仁川大会」(韓国/3月27〜31日)だ。日本人選手の活躍とともに、中国女子代表の選考レースからも目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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