現地時間3月27日、バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガで2023-24シーズン・プレーオフ準々決勝の最終戦が行なわれた。男子日本代表の石川祐希が所属する6位アリアンツ・ミラノは、3位ガスセールズ ブルーエナジー・ピアチェンツァとアウェーで対戦し、セットカウント3‐0(25-21、25-21、25-22)で完勝を収め、3勝2敗で準決勝への切符をつかみ取った。

 5試合制で先に3勝したチームが次のステージへ駒を進めるプレーオフ。ミラノは準々決勝をアウェーで白星発進の後に2連敗を喫したが、勝利必須の第4戦で崖っぷちから3セットを連取する大逆転でこの第5戦へ望みをつないだ。

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 石川は第2戦(17得点)と第3戦(22得点)でチーム最多、第1戦(17得点)と第4戦(20得点)でも次点となる得点数を記録したほか、出場8チームの個人データでは、4戦終了の時点で総得点2位、アタック決定数3位、サービスエースでも首位と1打差の2位にランクインし、3部門でトップ3入り。シーズン最後を締めくくるこのシリーズで、ハイレベルなパフォーマンスを維持し続けている。

 3日前の第4戦でカムバックを演じたミラノだが、この決戦をものにしなければすべてが水の泡。昨季に達成した4強入りをクリアし初の決勝を狙うには、勝利以外の選択肢はなかった。

 対戦相手ピアチェンツァの先発は、セッターが東京五輪で金メダルを獲得したフランス代表のアントワヌ・ブリザール(フランス)、アウトサイドヒッター(OH)は2019年ワールドカップ優勝のブラジル代表メンバー、リカルド・ルカレッリとイオアンディ・レアル、ミドルブロッカー(MB)のキューバ代表ロベルトランディ・シモンとイタリア代表エドアルド・カネスキ、2022年世界選手権の覇者で第4戦にエース3本を含む29得点をマークしたイタリア代表のオポジット(OP)ユーリ・ロマノ。
  ミラノは、揺るぎない活躍でチームを支える絶対エース石川とその対角にブルガリア代表のマテイ・カジースキ、MBは東京五輪銅メダリストのアルゼンチン代表アグスティン・ロセルとマルコ・ヴィテッリ(イタリア)、昨年10月のパリ五輪予選で得点王に輝いた20歳のOPフェレ・レゲルス(ベルギー)とイタリア代表の次世代を背負う司令塔パオロ・ポッロで布陣を組み、実力者揃いの難敵に挑んだ。

 第1セット、石川のレフト攻撃で最初の得点を挙げたミラノ。レアルのサーブでタッチネットと被ブロックにより序盤に3点のビハインドを負うが、第4戦で9得点を叩き出した石川のバックアタックを皮切りにカジースキのエースとヴィテッリのブロックで同点に追いつく。中盤にサーブミスが頻発するなどリードのチャンスを活かせず我慢の時間が続く。それに終止符を打ったのは石川だった。ライトからのフェイントでサイドアウトを奪うと、サーブでロセルのブロックにつなげて優位に立ち、今度はそのロセルのサーブで石川がバックアタックを決めて2連続ブレークに貢献。3点差に突き放して握ったセットポイントをレゲルスのエースでものにして試合を先行した。
  第2セットは開始直後に石川の誤打とカジースキの被ブロックでつまずくが、攻撃が好調なレゲルスがサーブでも奮闘して挽回する。石川の献身的な守備に支えられながら、2点差でピアチェンツァの背中を捉えたまま、1セット目と同じくカジースキに替えてキューバ代表主将のOHオスニエル・メルガレホを投入。試合を通して弄したこの策が相手に反撃を許すことの多かった終盤のレベル維持に効果を見せる。メルガレホがサーブで得点を呼び込み、安定したレセプションでサイドアウトに貢献して17-17。続くポッロのサーブを起点に石川がレフト攻撃で2連続得点を挙げるなど、2セット続けて20点を待たずリードに成功する。さらに追加点を重ね、4点差でセットを連取して勝ち抜けに王手をかけた。

 迎えた第3セットも劣勢からのスタート。しかし、すべての選手がすべきことを明確に理解し、それを密に共有するこの日のミラノは冷静沈着だった。中盤から接戦へ持ち込み、メルガレホを投入して相手のブレークを回避。18-19からポッロのサーブで1、2セットの展開を絵に描いたように加速。石川は観客席前へ大きく流れた味方のディグをつなぎ、そこからコート内へ走り込んでノールック弾を決める離れ業でリードを3点に広げる。シモンにエースを献上した直後、自身を奮い立たせた背番号14は後衛からとどめの2発。ブロックアウトで奪ったマッチポイントを渾身のバックアタックで仕留めて大勝負に幕を引き、準決勝への切符を勝ち取った。

 ピアチェンツァのアンドレア・アナスターシ監督は、昨季の古巣ペルージャに続き、2季連続でミラノの大黒柱“イシカワ”の活躍に4強入りを阻まれる結果となった。

 イタリア公営放送『Rai sport』の解説者で元イタリア代表主将のアンドレア・ルッケッタ氏が試合前に、「重要な選手であり、イタリアリーグの熾烈な戦いを愛してやまないイシカワ。ミラノの背中を押し、糸口を見つけて壁をこじ開けてほしい」とコメント。石川は両チーム最多の18得点(アタック16、ブロック2)を挙げ、ブレーク数で全体最多の7回を記録すると同時に、チームをまとめ上げてその期待に応えた。
  試合後、実況を担当したマウリツィオ・コラントーニ氏が、雑談を含めて石川にイタリア語でインタビューした。第4戦後に、「最高に素晴らしい選手“ユウキ”の秘密は?」と質問し、同席していた主将マッテオ・ピアノが「昼食と間食がパスタなんだ」と返答したことに言及。「ユウキ・イシカワのようになりたければ、昼とおやつはパスタ」とふざけるピアノへ、「今日は間食にパスタを食べたよ。トマトソースでショートパスタのペンネ」と答えた石川のリラックスした表情には、ミッションを1つ達成した安堵が広がっていた。

 準決勝は現地時間3月31日(※夏時間へ移行、日本時間4月1日午前1時)に開幕。ミラノは昨季に準々決勝で退けた2位ペルージャの本拠地で初戦に挑む。

 石川は最後に、「チームは(この勝利を)とても嬉しく思っている。今日また素晴らしい試合をして、準決勝へ進む。昨年はそこで敗退してしまったので、今回は勝ち抜きたい」と決勝進出への強い意欲を示した。

 なお、高橋藍が所属する5位モンツァも準決勝へ進出。同日に昨季王者の1位トレンティーノとアウェーで対戦する。

構成●THE DIGEST編集部

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