牛丼大手の吉野家がいよいよ出前に乗り出しました。近年、ウーバーイーツや楽びんなど、ネットを使ったデリバリー・サービスが伸びていますが、大手外食チェーンが参入してきたことで、状況が大きく変わりそうです。

どんなサービス?

 吉野家は6月1日、宅配ポータルサイト「出前館」と提携し、吉野家の一部店舗において商品のデリバリー・サービスを開始すると発表しました。店舗に行かなくても、出前館のメニューの中から吉野家の商品を選ぶと配達要員が指定の場所まで商品を運んでくれます。

 出前館は基本的に出前に対応する店舗と利用者をマッチングするサイトであり、店舗側が配達要員などデリバリーに対応している必要がありました。しかし同サイトでは昨年8月から、配達要員がいなくても配達が可能となるシェアリングデリバリーというサービスをスタートしており、吉野家はこのサービスを活用する形になります。商品は、朝日新聞の販売店であるASAなど、出前館がアレンジした配送網を使って顧客に届けます。

 今回、デリバリーの対象となるのは千葉中央店(千葉県)、国立駅南口店(東京都)、博多祇園店(福岡県)など7店舗です。注文の受付時間は午前11時から夜10時までで、最低注文条件は1500円から。送料は300円となっています。出前館では今後3年でシェアリングデリバリーの拠点を200カ所に拡大する予定となっており、それに伴って吉野家のデリバリー店舗も順次増やしていくとのことです。

出店戦略にも大きな変化が?

 これまでも外食産業の一部は、デリバリーを実施してきましたが、牛丼大手の吉野家がこの分野に参入することのインパクトは大きいでしょう。実は米国では、マクドナルドやウェンディーズなど外食大手が次々と宅配サービスを拡充させており、外食の宅配シフトが進んでいます。店舗に出向くのではなく、好きなメニューを家に運んでもらい、家族や仲間と楽しむというスタイルは、今後、さらに広がると予想されます。

 これまで外食産業は、顧客数を確保するため、高いコストをかけて人通りの多い一等地に出店してきました。しかし、デリバリーの市場が拡大すれば、必ずしも目立つ一等地に店舗を構えていなくても、場合によっては採算が合うケースが出てくることになります。そうなってくると、外食産業における従来型の出店戦略も大きく変わることになるかもしれません。これまで積極的な店舗戦略で高いシェアを確保していた企業が必ずしも安泰ではいられなくなるわけです。

(The Capital Tribune Japan)