家電量販店大手の路線の違いが際立つようになってきました。すでに住宅リフォーム事業に参入していたヤマダ電機は不動産事業にも進出します。一方、ビックカメラは買収したソフマップの店舗を大改装するなど、秋葉原という場所を強く意識した事業展開を進めようとしています。

ヤマダ電機は不動産事業を展開

 ヤマダ電機は、家電量販店では国内最大手ですが、日本の消費構造の激変という事態に直面し、売上高の減少に悩まされています。業績がピークだった2011年には約2兆1500億円の売上高がありましたが、2017年3月期の売上高は1兆5630億円にまで減少しています。コスト削減などで何とか利益は確保していますが、このままでは今後の持続的成長が見込めません。

 こうした事態を見越して同社は、2011年に中堅住宅メーカーのエス・バイ・エル(現ヤマダ・エスバイエルホーム)、2012年には住設機器メーカーのハウステックホールディングス(現ハウステック)を買収し住宅事業に進出。今年の6月には、住宅のリフォームやホームファッション、インテリアなどを総合的に提供する新型店舗「インテリアリフォームYAMADA」前橋店をオープンさせました。インテリアリフォームYAMADAは、新事業の顔として全国展開していく予定です。

 住宅全般にラインナップを広げるということになると、当然、不動産会社との連携が必要となってきます。そこで同社は不動産子会社を設立し、物件の紹介や住宅ローンなども含めた総合的な住宅サービスを提供することになりました。

ビックカメラは本業に力

 一方、ライバルのビックカメラは、従来からの本業である店舗の運営に力を入れています。同社はパソコン専門店だったソフマップを2010年に完全子会社化しましたが、秋葉原にある基幹店舗の営業を今年の5月で終了。6月からは「ビックカメラAKIBA」として営業を開始しました。ビックカメラAKIBAを含む、旧ソフマップ店舗群については、あらたに「AKIBAビックマップ」というブランド名で店舗を運営していきます。

 同じ量販店といっても、ヤマダはニトリに近い生活サービスに姿を変え、ビックカメラは、従来型家電量販店としての路線を追求する方向性と考えられます。最終的にどちらの路線が功を奏することになるのかはまだ分かりませんが、市場の構造が大きく変わったことだけは間違いないようです。

(The Capital Tribune Japan)