日本商工会議所が、官民挙げて取り組んだプレ金(プレミアムフライデー)について、総括する必要があるとの見解を示しました。現実にはほとんど普及していませんので失敗は明らかですが、何が悪かったのでしょうか。

すでに存在を忘れられた?

 プレ金は、毎月の最終金曜日の15時に退社を促し、余暇の時間を増やそうという官民共同のキャンペーンで、今年の2月にスタートしました。各地では消費喚起を促すイベントなどが行われ、安倍首相はキャンペーンを盛り上げるため、初回のプレ金には午後3時に執務を終えて都内で映画鑑賞などを楽しみました。

 しかし仕事が山積して早く帰れないという人は多く、2回目のプレ金に至っては3月31日ということで期末と重なってしまい、早期退社どころではなくなってしまったようです。7月に実施されれば6回目ということになりますが、すでにその存在を忘れている人も多いでしょう。

 商工会議所では、プレ金に対する取り組みについては各地域の判断に任せているそうですが、一部からは否定的な声があがっているそうです。会頭の発言はこうした状況を受けたものと考えられます。

機能しないと考えている施策が、なぜ実施されてしまうのか

 このキャンペーンは失敗だった可能性が高いですから「総括」することは大事かもしれませんが、失敗の原因を探ってもあまり意味はないかもしれません。というのも、プレ金が成功すると考えていた人はほとんどいなかったからです。

 日本経済新聞が4月に行ったアンケート調査によると「プレミアムフライデーは定着すると思うか」との質問に対して、何と84%もの人が「思わない」と回答しています。ほぼ全員がうまくいかないと考えているわけですから、成功しないのは当然の結果といってよいでしょう。

 今回のキャンペーンに問題があるとすると、やり方に関する技術的なものではなく、ほとんどの人がうまく機能しないと考えている施策が、なぜいとも簡単に実施されてしまうのかという点でしょう。この問題は今回のキャンペーンに限定されたものではなく、日本社会に共通のテーマといってよいものです。

 誰がアイデアを出し、誰がそれを評価し、実施を決断しているのか。このあたりについてもう一度、基本に立ち返って考えてみる必要があるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)