いよいよ上場企業の決算発表シーズン。といっても、年に一度の本決算や半年に一度、開示される中間決算ではない。4〜6月の3カ月間を対象にした第1四半期決算だ。7月28日ごろから発表社数は一気に増え、8月半ばにかけてラッシュ状態に入る。今年度に入ってから出足3カ月間の業績動向は夏場以降の行方を占うものとしてマーケットの注目度は高い。

 こうした状況下、実力企業のトップバッターとして第1四半期決算を発表したのが安川電機(6506)。その決算を見た市場関係者から相次いで「ポジティブ・サプライズ」の声があがった。要するに、びっくり仰天の好業績だったのだ。株価も急騰。いったい、何が起こったのか――。(解説:証券ジャーナリスト、神田治明)

第1四半期、営業利益は2.4倍

 安川電機が20日午後4時に発表した第1四半期連結決算は売上高が1074憶9800万円(前年同期比18.9%増)と伸び率は二ケタに達した。それ以上にマーケットの関心を引いたのは、本業の儲けを表す営業利益が132億1800万円(同2.41倍)に膨れ上がった点だ。経常利益は125億6800万円(同2.38倍)、当期利益も97億9900万円(同2.85倍)に大ブレイクした。

 得意とする高付加価値のACサーボモーターが中国向けを中心に伸びたことが主因だ。ACサーボモーターを中心とするモーションコントロール部門に限ると、第1四半期の営業利益は108億3100万円(前年同期比2.33倍)と激増。また、ロボット部門も35億3100万円(同58.6%増)の営業利益を稼ぎ出した。

 同社はこうした今期立ち上がり3カ月間の好業績を踏まえ、第2四半期累計、つまり今年度上半期6カ月間の業績予想も上方修正。期初に打ち出していた売上高2135億円、営業利益197億円を、それぞれ2285億円(前年同期比21.8%増)、282億円(同2.04倍)に塗り替えた。

 会社側によると、モーションコントロール部門は、スマートフォン関連、データセンター関連、自動車関連での設備投資が世界的に盛り上がっていることが大きい、と指摘。証券アナリストとのミーティングでは需要増と背中合わせに、通常なら高まるボリュームディスカウント(値引き要求)の動きがおこらなかったことも収益アップにつながった、と説明した。また、中国の自動化ニーズの高まりから、利益率の高い産業用ロボットにも高水準の引き合いが寄せられている。

 下半期の見通しについては、先行き不透明を理由に期初の予想を変更していない。しかし、通期の業績予想は、為替レートが1ドル=110円、1ユーロ=115円と保守的な線を前提にしている。主要製品の需要増ペースが急減速しない限り、業績計画の大幅な超過達成が十分に可能、との観測がマーケットに飛び交っている。