「全日本あすなろ腹話術協会」が神戸のホテルで開催

 まわりはみんな腹話術師と人形だらけ──。「全日本あすなろ腹話術協会」(本部:神戸市)はこのほど、本部合宿研修会を神戸市内で2日間にわたって開催。日本全国から150人もの腹話術師が人形とともに集まり、なんとも珍しい光景となった。これほど多くの腹話術師が集結するのは珍しいという。いったいどんな内容なのか、2日目の会場に潜入してみた。

新潟、山形、鹿児島などを含め、日本全国から150人

 同協会は、腹話術の「芸能・文化として全国への普及」を目指し、全国合宿研修会・各地開催研修会で腹話術師育成を行っている。日本唯一の全国規模の腹話術協会だ。40年の歴史を持ち、会員数は2000人ほど。2日目にはゲストを招いてのパフォーマンス(マイケルダンスショー)もあった。

 「新潟、山形、鹿児島などを含め、日本全国から150人ほどが集まりました。下は小学生から上は88歳の高齢者まで来られています。毎年1回やっていて、腹話術の研修会です。発表会でもあり、検定試験も行われます。検定は下は5級から上は6段まで、11階級にわかれていますが、上級者は人形を2体使います。研修会を通じて腹話術をもっと普及させていきたいと思っています」

 こう話すのは、ローラー&ダンス腹話術師、同協会の本部会長でもある福小介だ。9歳の時、父(福大介)の影響で腹話術を始めた。

 16歳でローラースケートに目覚めプロを目指し、18歳でフジテレビ主催ミュージカル「スターライトエクスプレス」プロモーションチームに合格、芸能活動を開始。光GENJIやチャゲ&飛鳥のバックなども務め、第3回ローラーダンス全国大会で優勝して日本一に。腹話術を再始動し、今では商業施設のイベントやショー、テレビ出演など多数。保育園、幼稚園、老人介護施設や養護施設などへの慰問も行っている。

見応えは十分、師範代以上の競演

 同協会理事長の福大介は、「あすなろ協会は、人形2体でやるのが特徴です。2体だと、声が3ついるんです。高い声、低い声、自分の声と、3人の別の人格で別の動作をしないといけない。難しいですが、腹話術は発声練習から入ります。裏声が出せれば、覚えるのも早いです。ファルセットは誰でも出せます。猫のニャオーンの声(裏声)って誰でも出せますから」と話している。

 この日、師範代以上の競演が行われ、9人の腹話術師のパフォーマンスが披露された。会場で笑いが巻き起こるなど、見応えは十分。大介、小介の講座などもそれぞれあり、「子供がムードーメーカーになるんです。前列の子供が受けてたら、その会場は成功です。でも、大人に向けて一生懸命やってたら子供がぽかんとしている。腹話術おもしろないわってなったら最悪ですね。そういう時は大人を捨てて子供たちを活かす。そしたらその会場は自然とね、子供が受けてたら大人が笑うんですよ。そういうのも現場に行って臨機応変にやる、多様力を身に付ければいいかなと思います」(小介)といった実践的なアドバイスや、さらに“唇不動”の極意なども紹介された。

参加者「腹話術は楽しいですよ」

 最後には、福小介ショーがあり、ローラースケートをはいての腹話術のステージで会場を沸かせた。

 参加していた男性腹話術師に話を聞くと、「僕は75歳やけど、ボケの防止で始めました。コミュニケーションも積極的に取れるようになる。今、いろんな施設を回ってます。勉強会も常にやっています。腹話術は楽しいですよ」と話していた。
(文責/フリーライター・北代靖典)