民進党の前原誠司元外相は7日、9月1日に行われる民進党代表選に立候補することを正式に表明した。「自公に変わる受け皿をつくらないといけない」と述べ、そのための政策として、「失敗したアベノミクスではなく、新たな国民の不安を取り除く政策」を打ち出すとして、教育の実質無償化を中核とする再分配政策を充実させ、「中福祉中負担」の社会を実現したいと語った。

再分配を充実させ「中福祉中負担」目指す

 7月の東京都議選では小池百合子知事が率いた地域政党「都民ファーストの会」が圧勝し、小池氏側近の若狭勝衆院議員が国政政党を見据えて政治団体を立ち上げるなど国政をめぐる動きは加速している。民進党自体も都議選で5議席と惨敗したほか、細野豪志元環境相が離党するなど離党者が相次いでだ。

 前原氏は「ここは地に足をつけて、自公に変わる選択肢をしっかり国民に提示すること、その選択肢は、企業を儲けさせていずれみんなが豊かになるのではないかという失敗したアベノミクスではなく、新たな国民の不安を取り除く政策でなくてはならない」と強調した。

 具体的な政策としては、みんながみんなを支え合う「オールフォ―オール」社会の実現を訴えた。アベノミクスは「国民の生活の基礎をなす実質賃金・実質可処分所得を下げることをやってきた」と批判する一方、「『オールフォーオール』は社会政策であると同時に経済の政策の中核をなすもの。再分配政策を充実させ、国民の不安を取り除く」と述べた。例えば若い世代が結婚したくてもできない、理想の子ども数が持てないという現状を踏まえ、その支援策として、就学前教育保育、高等教育での「実質的な教育無償化」を行うとした。

 そして、「遠くない衆院選のマニフェストに、(アベノミクスの)自己責任型社会を選ぶのか、あるいは『中福祉中負担』、安心を得られる社会を選ぶのかをしっかり示したい」と語った。

 中福祉中負担の国民負担のイメージについては、財務省から提示された数字として、日本や欧州諸国の国民負担率を紹介。日本の国民負担率は42.5%で、約1000兆円の国の借金を踏まえた潜在負担入れると49%くらいになるという。フランスは68%(潜在負担込みで70%超)で「これは高福祉高負担。中福祉中負担という以上、そんなに高くするつもりはない」と述べ、「ドイツ(52.5%)とイギリス(47.5%)の間くらい」と説明した。

 財源については「徹底した行政のムダをなくしていく」が、それだけでは実現できないとして、「あらゆる税のベストミックスを考えていく中で、中福祉中負担を党の総意の中で決め、オールフォーオールが実現できる新たな社会像を示す」と意欲を語った。

 また、エネルギー政策についても言及し、野田政権時代ににまとめた「2030年代に原発ゼロ」を目指すと明言。「あらゆる政策資源を投入する。原発のない社会を着実に現実につくっていきたい」とした。