民進党の枝野幸男元官房長官は8日、9月1日に行われる代表選への立候補を正式に表明した。「自民党に変わりうる政権の担い手たるのは、民進党以外にあり得ない」と述べた上で、民進党は自民党と目指すべき社会像が違うことを明確に示すとした。「多様性を認め合い、お互い様に支え合う」社会の構築や、原発ゼロ政策の前倒しなどを訴えた。

2030年代「原発ゼロ」前倒しへ

 枝野氏は、24年間の国会議員としての仕事の中では「何といっても一番大きな出来事は東日本大震災と原発事故」と振り返った。

 民主党政権時代に起きたこの未曾有の災害と事故に、枝野氏は官房長官、経産相などとして対応に当たった。しかしその後、自民党が政権を奪還して4年半がたったいまの日本は「大変な危機を迎えている」と指摘し、これが立候補の出発点になったと述べた。

 「社会の分断が進んでしまっている。あの災害でつながった(国民の)絆はどこへ行ったのか」。そうした背景には「自分と違う意見を敵視し、国民を敵と味方に二分する今の政治姿勢が背景にあるのではないか」との見方を示し、「もう一度、社会を包摂し、寄り添う政治を取り戻していかなければならない」と訴えた。

 原発事故に関連して、枝野氏は「2030年代に原発稼働ゼロを目指す」とする党の方針の前倒しにも言及。「一日も早く原発ゼロを実現するために、最大限の努力をするのは、事故に官房長官として対応し、その後の方針を経産相としてつくった私にとって、ぶれることの許されない基本」と語り、年内にも原発ゼロ法案の国会提出を目指すとした。

「多様性を認め合い、お互い様に支え合う」

 枝野氏は「自民党に変わりうる政権の担い手たるのは、民進党以外にあり得ないと確信している」と述べる一方で、「“第二自民党”では本物の自民党に勝てるはずはない。自民党との違いを示してあるべき社会の姿を明確にする」と自民党との違いを強調した。

 枝野氏が目指す社会像としては、「多様性を認め合い、お互い様に支え合う。そんな日本を目指す。この旗を明確に高く掲げて政権を目指す」とした。

 現在の安倍政権が進める経済政策は「自己責任を強調して自由競争をを過度に煽る政治で社会の格差が広がり、社会全体がささくれ立ってきている」と述べ、「自己責任は政治の責任放棄。消費したくてもできない人を増やして景気が良くなるはずがない」と批判した。

 アベノミクスに対する具体的な政策としては、「低賃金であるために人手不足が常態化している介護職員、保育士、看護師などの賃金を底上げして可処分所得を増やす」ことを提案。介護などの分野は政治が影響を与えられる分野だとした。