今年の日本政治にはいろいろな言葉が登場しました。流行語大賞の年間大賞に「インスタ映え」とともに「忖度(そんたく)」が選ばれたほか、ノミネート語にも今年は多くの政治関係の言葉が入りました。東京都議選や衆院選など国政やそれに影響を与える選挙が注目され、ワイドショーをにぎわせる週刊誌報道も相次いだ2017年。政治学者の内山融・東京大学大学院教授に振り返ってもらいました。

小池旋風の都議選と自公圧勝の衆院選

 2017年の「ユーキャン新語・流行語大賞(http://singo.jiyu.co.jp/)」の受賞語を手がかりにして、同年の日本政治を振り返ってみたい。

 まず、2017年の日本政治の流れを確認しておこう。

 2017年前半には「森友・加計学園」問題が世間の耳目を集め、安倍内閣の支持率が低下してきていた。そうした中、7月2日に行われた都議選では、小池百合子都知事が率いる都民ファーストの会が圧勝し、自民党は大敗を喫した。

 8月初めに内閣改造が行われ、内閣支持率が徐々に回復しつつあったところ、臨時国会冒頭の9月28日に衆議院が解散された。解散に先立つ25日に、小池知事は自らを代表とする希望の党を設立している。希望の党は当初、総選挙における台風の目とみられており、野党第1党をうかがう勢いだった。

 「小池旋風」によって苦境に立った民進党の前原誠司代表(当時)は、同党を希望の党に合流させることを決断した。10月初めには、希望の党への合流に違和感を持つ民進党リベラル系の議員により、枝野幸男を代表とする立憲民主党が結成された。

 10月22日に行われた総選挙では、自民党・公明党の与党が313議席を得て大勝した。第2党は立憲民主党、第3党は希望の党であった。小池氏の言動などにより、希望の党が失速した一方で、立憲民主党への支持が高まっていったのだが、結局、野党陣営の分裂が与党を利したため、「自民1強」は続くこととなった。

 さて、2017年新語・流行語大賞の受賞語のうち、政治に関係するものは次のとおりである。これらを上記の流れに位置づけつつ解説し、現在の日本政治が抱える課題についても考えてみたい。