ヤクルトが後半戦スタートの横浜DeNA戦に1−2で敗れて、1分けを挟み、1970年以来、47年ぶりの11連敗を喫した。ヤクルトは、交流戦真っ只中の5月30日のオリックス戦から6月10日のロッテ戦まで引き分けを挟んで10連敗。さらに現在、2度目の大型連敗を更新中だ。

 ヤクルトの前半戦2度の2桁連敗は61年ぶりの屈辱記録だが、今季のペナントレースは、3カード以上に及ぶワースト級の大型連敗が目立つ。巨人が5月25日の阪神戦から6月8日の西武戦まで球団ワーストの13連敗を記録。阪神も交流戦の終盤の5月1日の楽天戦から7月1日のヤクルト戦でドラ1大山悠輔の活躍で止めるまで4年ぶりとなる8連敗である。セで2チーム以上の大型連敗は、1999年の広島13連敗、阪神12連敗以来となる異常事態。

 パ・リーグに目を向けても、昨年の覇者、日ハムが開幕直後の4月に10連敗。逆に開幕ダッシュに成功していたオリックスも、新4番のロメロを故障で欠いている5月下旬に9連敗してBクラスに転落した。ロッテもチーム打率1割台という歴史的な打線の大不振で5月に8連敗。今なお最下位を抜け出せていない。
 
 昨季のデータを見てみると、セでは巨人、ヤクルト、阪神が喫した7連敗がワースト。最下位に沈んだ中日でも6連敗止まりだった。パでも最下位だった楽天の9連敗がワーストで5位のオリックス、101を数えるチーム失策で4位に沈んだ西武でも6連敗まで。大型連敗の定義は難しいが、3カードに渡る連敗はなかった。

 元巨人の評論家、鈴木尚広さんは大型連敗が起きるメカニズムをこう考えている。

「連敗には、様々な要因が絡み合いますが、基本的にはチームバランスの崩壊によって起きますよね。私は、打線、機動力、先発、中継ぎと抑えの4つの輪が総崩れになったときに連敗につながると考えています。逆に言えば、このうちせめてひとつでも状態の良さをキープしていれば、連敗を止める可能性が高まります。これらの輪が大きくなればなるほどチーム状態は右肩上がりというわけですが、逆にどの輪の調子も上がらなければ、連敗につながる不安要素は高まります。そもそも、フロント、現場は、これらのバランスを考えたチーム編成でシーズンに望まねばなりません。

 例えば、巨人の連敗の主な原因は、得点力不足でした。エースの菅野にも、ちょうど疲労のピークが重なり、中継ぎ、抑えも崩れ、チーム編成上、機動力を使える選手は少ないので連敗を食い止める輪がありませんでした。正確に言えば、足にもスランプはありますが、機動力を使うことのできる選手が間に挟まれていれば、打線が点から線に変わる可能性が高まり野球が動きます。そこが止まると、どうしてもチームに勢いが生まれません。また、この輪は、故障者が出ることによっても崩れます。今季のプロ野球は、主力の故障者が目立ちますが、そのことと連敗が生まれていることは無縁ではないでしょう」
 
 鈴木氏は巨人を例に挙げたが、今季、異常に大型連敗が目立つ理由としては、チームバランスの崩壊の仕方が極端で、しかも同時に起きていることがあるだろう。