楽天が26日、仙台のKoboパーク宮城で行われたソフトバンク戦との首位攻防戦を3−1で制した。この日、巨人のルイス・クルーズ内野手(33)を金銭トレードで電撃獲得、いきなり「6番・遊撃」でスタメン起用した。チームに攻守において刺激を与えたクルーズは8回にダメ押しタイムリー。先発の則本も8回を投げ11奪三振安打1失点に抑える力投で5年連続となる10勝目(プロ通算60勝目)。楽天はソフトバンクとのゲーム差を「2.5」に広げた。

 抜群のタイミングでの電撃トレードだった。
 クルーズの金銭トレードが午後2時に発表されると、背番号「67」のユニホームを着て会見を行い、すぐさま登録、スタメンに名を連ねた。楽天は「1番・遊撃」の茂木が肘痛で離脱、二塁の藤田も腰痛で二遊間が手薄、加えて「恐怖の2番打者」として楽天の首位進撃の象徴だったペゲーロが23日のオリックス戦で走塁途中に左足の太もも裏を痛めて、翌日に登録抹消。岡島もこの試合で左肩を亜脱臼して戦線離脱するなど故障者続出で、弱体化する恐れのある打線の強化が急務だった。シーズン途中の補強は難しいが、巨人で出番をなくし元ロッテでパ・リーグの野球に精通しているクルーズに目をつけて電撃的に話をまとめた。
 ポストシーズン進出の可能性の高いチームが、この時期に戦力を強化するメジャー方式だ。

 梨田監督が「クルーズは速い球に打ち負けない。パ・リーグはバンデンハークのように速いピッチャーが多いので、活躍してくれるんじゃないか」と期待を寄せると、メキシコリーグで一緒にプレー経験のあるアマダーも、「若い頃から知っているクルーズとプレーできるのが嬉しい」と歓迎した。
 
 フロントの“本気”がチームに伝わる。

 スライド登板となった先発の則本は、4回一死二塁から、中村にストレートを引っ張られライト線にタイムリー二塁打を浴び、先に失点したが、その裏、先頭のウィーラーがソフトバンクの先発バンデンハークから22号の同点アーチ。ゲームを振り出しに戻した。

「打ったのはストレートだね。則本が点を取られた直後だったから、なんとか塁に出たいと思って集中していたよ。仲の良いクルーズもチームメイトに加わって、チームの雰囲気も良いし、今日は絶対に勝つよ」
 
 ウィーラーも“クルーズ効果”を口にした。
 
 試合は1−1のまま則本、バンデンハークの両投手の投手戦となった。7回にスイッチを入れ直した則本は、松田、上林、甲斐を三者連続三振。その気迫が、打線に乗り移ったのか。
 その裏、二死から松井稼が四球を選び、続く今江はポーンと打ち上げ、打球はショートとセンターの間にふらっと上がったが、突っ込んできた柳田が捕球できず、フルカウントでスタートをきっていた松井稼が勝ち越しホームを踏んだ。今江とクルーズは、元ロッテの同僚。彼もまた刺激を受けた一人なのかもしれない。

 則本は、8回も、高田、明石、今宮を3者連続三振で締めると、その裏一死から、アマダーが3番手森のストレートを捉えてセンターの左に3試合連続となる14号ソロ。2点差とすると、とどめはクルーズ、その人だった。ここまで3タコに終わりながら、守りで3つの併殺を成立させるなど貢献していたクルーズが、二死一、三塁からレフトへタイムリー。4−1とリードを広げたのだ。9回は松井裕でなく福山。福山は、その3点を守りきって重要な首位攻防戦を制した。