メジャーリーグは8月25日から27日まで選手の個性にフォーカスしたイベント「プレイヤーズ・ウィークエンド」を実施すると発表した。

 この期間、選手はニックネーム入りユニホームの着用が認められ、通常とは違う色やデザインのスパイク、バッティンググローブ、リストバンドなどを使用できる。

 ドジャースのダルビッシュは「YU−SAN」、前田は「MAEKEN」、マーリンズのイチローは「ICHI」、ブルージェイズの青木は「NORI」などのニックネームユニホームを着用することが明らかになっている。 ヤンキースの田中は「MASA」というユニホームを着るそうだが、これまでヤンキースのユニホームは背中に名前が入ったことはなく、背中に名前が入るのはヤンキース球団史上初の出来事だ。

 では、なぜニックネーム入りユニホームの着用を試すことになったのか。
 ニューヨークタイムズ紙は「ヤンキースの選手たちは、バンビーノ(ベーブ・ルース)が経験しなかった機会を得た」という見出しで、ニックネーム入りユニホームについて報じ、その経緯をこのように伝えている。

 「これまでヤンキースは、メジャーリーグ機構がデザインした祝日用のユニホームの時でも、これまでに従ったユニホームを着てきた。しかし、このプレイヤーズ・ウィークエンドは、選手会、マジェスティック社、MLBアパレルライセンシーによって進められ、球団に選択権がなかった」

 ニックネーム入りユニホームの企画が実現したのは、若いファンを獲得しなければ、というメジャーリーグの危機感が大きい。選手たちがユニホームや身につけるものによって、個性を表現できるようにしたのは、若いファンへアピールするためである。

 昨年、ナショナルズのスーパースター、ブライス・ハーパーは、ESPNマガジンで「野球は退屈なスポーツになっている。なぜなら自分を表現することができないからだ」と発言。ハーパーは、メジャーリーグでプロバスケットボールのNBAや、アメリカンフットボールのNFLに比べて感情を出さないようにしていること、個性の露出も控えめであることを批判していた。

 ヤンキースのベテラン左腕、CC・サバシアも同様の考えだ。ニューヨークタイムズ紙によると、NBAはソーシャルメディアやその他の媒体を通じて若いファンを獲得することに長けていると、サバシアは考えているようだ。同紙の取材にサバシアは「(プレイヤーズ・ウィークエンドは)選手の個人的な部分を見せることが許されるものだ。もし、ルールがなかったら選手がどうするかを見せるもの。楽しいと思う」と話している。

 メジャーリーグは現在、NBAのマーケティング手法を追いかけているという。

「NBAは2014年のいくつかの試合で、背中にニックネームをつけたユニホームの着用を認めていた。さらに最近では4種類のユニホームから、どのユニホームを着るのかをチームが選択できるようにしている」

 マーケティング専門家のアレン・アダムソン氏は、同紙の取材に、「野球は、若いファンに球場へ来てもらおうと、試合のペースアップをすること、買い求めやすい値段の入場券を売ることをやっていて、このプレイヤーズ・ウィークエンドも短い期間のものではあるが、正しい方向へのステップだと思う。個人のキャラクターを出すことは、メジャーリーグがやらなければいけないことのひとつ」だと見解を述べている。

 ニックネーム入りユニで若いファンを振り向かせることができるか。